全4178文字
PR

 最近、「Web3」という言葉が急に注目を集めるようになった。Web3は最新技術を使った複雑な仕組みを持ち、様々な新しい考え方も取り入れている。前提知識を持たない人にとっては、極めて分かりにくい概念だ。「中身のないバズワードではないか」と考える人もいるかもしれない。そこで本特集では、10の疑問に答える形でWeb3の正体に迫っていく。第1回は基礎知識編だ。「そもそもWeb3って何?」「Web3でもGAFAのような巨大企業は出てくるの?」「Web3とWeb 3.0は同じもの?違うもの?」の3つの疑問を取り上げる。

【疑問1】そもそもWeb3って何?

【答え1】「ブロックチェーン」という技術を使って次世代のインターネットを実現する技術やサービスの総称である。

 Web3はその名の通り、Web 1.0、Web 2.0に続く新しいWebの姿を表現する用語だ。ブロックチェーンを利用し、インターネットの非集権化を推し進める試みである。インターネットだけでなく、企業や国家といった社会のあり方にすら影響を及ぼす可能性を秘めている。

 Web3は従来のWeb 1.0やWeb 2.0とどう違うのか。これまでのWebの流れを振り返りながら説明しよう。

Web 1.0、Web 2.0、Web3の主な違い
Web 1.0、Web 2.0、Web3の主な違い
[画像のクリックで拡大表示]

 WebはWorld Wide Web(WWW)ともいい、1990年前後に誕生した。初期のWebは、Webサーバーが公開するWebページのコンテンツをWebブラウザーで閲覧する形態がメインだった。データの流れは、サーバーからユーザーへのほぼ一方通行だ。ユーザーが利用する端末は、基本的にはパソコンだった。

 これに対し、2000年代半ばに登場したのがWeb 2.0である。ユーザーがWebページの内容を閲覧するだけでなく、ユーザーからサービス側にデータを送ることで、Webページを「Webアプリ」として利用できるようになった。これによりSNS(交流サイト)、ストリーミングによる動画サービスなど、様々なサービスが登場した。端末としては、パソコンに加え、従来型の携帯電話機やスマートフォン、タブレットといったモバイル端末が広く使われるようになった。Web 2.0が登場したことで、それまでのWebをWeb 1.0と呼ぶようになった。

 Web 1.0やWeb 2.0の基盤技術となったのが、Webの通信プロトコルである「HTTP(Hypertext Transfer Protocol)」とWebページの記述言語である「HTML(HyperText Markup Language)」だ。Web 2.0では、HTMLにプログラミング言語の「JavaScript」を組み合わせることで、Webに双方向性を持たせた。Web 2.0は、技術的にはWeb 1.0の延長線上にある。

 これに対しWeb3は、それまでのWeb技術とは直接関係ないブロックチェーンを使って、Webアプリの構造を根底から変える。Web 2.0では、インフラとしては分散コンピューティング環境のクラウドを使うものの、プログラムやデータは論理的には一元管理する。これに対し、Web3ではプログラムやデータを分散台帳であるブロックチェーンに登録する。これにより、「中央」が存在しない非集権型のアプリになる。