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【疑問9】どんな企業がWeb3に取り組んでいるの?

【答え9】日本でも多くの企業がNFTに取り組んでおり、大企業の参入も目立つ。Web3向けに独自のブロックチェーンを開発する企業やDAO(Decentralized Autonomous Organization、自律分散組織)を作りやすくするサービスを提供する企業も出てきた。

 現在、企業のWeb3への取り組みとして最も多いのはNFTだろう。スタートアップから大企業に至るまで、数えきれないほどのNFT事業が生まれている。特に「マンガやアニメのキャラクターなど有力な知的財産(IP)を所有している企業で、NFTを検討していない企業はほとんどない」といわれている。

 例えば、大手ゲーム会社のスクウェア・エニックスは、2021年にNFTデジタルシール「資産性ミリオンアーサー」を発売した。NFTを利用したゲームの開発も検討しているという。三菱UFJ銀行は2022年3月、香港Animoca Brands(アニモカ・ブランズ)の日本法人とNFT関連事業で協業することについて基本合意したと発表した。アニモカ・ブランズの子会社「The Sandbox(ザ・サンドボックス)」は、メタバースの土地やアイテムをNFTとして売買できるゲームを提供している。

 NFTを売買する「NFTマーケットプレース」を提供する日本企業も増えている。海外では「OpenSea(オープンシー)」や「Rarible(ラリブル)」といったNFTマーケットプレースがメジャーだ。一方、日本ではSBIグループのSBINFT(旧スマートアプリ)、暗号資産取引所のコインチェック、GMOインターネットグループのGMOアダム、LINE、メルカリ、楽天グループなどが独自のNFTマーケットプレースを提供している。

 Web3の基盤技術であるブロックチェーンの開発に取り組む日本発のスタートアップも登場した。Stake Technologies(ステイクテクノロジーズ)は、「Plasm Network(プラズムネットワーク)」という独自のブロックチェーンを開発している。Web3の提唱者であるギャビン・ウッド氏が中心に開発を進めているWeb3向けブロックチェーン「Polkadot(ポルカドット)」に接続して機能を補うものだ。

 平議員は「Web 2.0では基盤技術を担う日本企業はいなかった。Web3の根底にあるブロックチェーンの開発に取り組む日本発のスタートアップがいるのは素晴らしい」と高く評価する。

 モバイルゲーム開発企業gumi(グミ)創業者の国光宏尚氏が率いるFiNANCiE(フィナンシェ)は、DAOの作成に利用できるユニークなサービスを提供している。

 フィナンシェでは、クリエーターなどの個人やスポーツチームなどの団体がオーナーになり、ブロックチェーンを利用してトークンを発行する。ユーザーはこのトークンを購入してサポーターコミュニティーに参加し、オーナーを応援できる。例えば、Jリーグの湘南ベルマーレやアビスパ福岡がオーナーとしてサポーターコミュニティーを運営している。

 このサービスを利用してDAOをつくる動きも活発化している。DAOの取り組みに賛同する人がトークンを購入することで活動に参加でき、DAO側は活動資金を集められる。

 フィナンシェは映画監督の堤幸彦氏、本広克行氏、佐藤祐市氏が共同で制作を指揮し、サポーターとともに映像作品を作り上げる日本初のエンターテインメントDAOプロジェクト「SUPER SAPIENSS(スーパーサピエンス)」を2022年1月に開始した。

スーパーサピエンスのトークンの価格ページ
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 また国光氏は2022年1月、フィナンシェの仕組みを利用して「国光DAO」を立ち上げた。Web3やメタバースの分野で活躍する日本発のユニコーン(評価額が10億ドル以上で設立10年以内の非上場スタートアップ)を増やすことを目的とするDAOだ。