型枠を使わずにコンクリート構造物などを造形できる建設3Dプリンター。2022年に入って、公共工事での採用実績が増え始めた。下水升や埋設型枠、擁壁の取り合い部、縁石など様々な部位で試されている。生産性向上に寄与することから、企業の規模を問わず、大手や中小が力を入れている建設3Dプリンターの取り組みについて追った。

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公共工事で波及する建設3Dプリンター
目次
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補修に3Dプリンティング、地方だって3Dプリンターを使う時代に
岐阜大学などはICT(情報通信技術)建機と吹き付けタイプのプリントを組み合わせた補修・補強技術の展開を目指す。地方の建設会社が使い慣れた重機に搭載することで、3Dプリンティング採用へのハードルを下げる狙いがある。地方のコンクリート製品メーカーなどが自由に使える「3Dプリンティングスタジオ」の構想も…
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鉄道工事で3Dプリンター型枠、清水建設が提案した6割工期短縮案
鉄道工事の土木構造物において、建設3Dプリンターで造形した埋設型枠が適用された。提案したのは清水建設。歩道橋の柱脚基礎の埋設型枠を印刷造形して設置した。脱型が不要になり養生期間を待たなくて済むため6割の工期短縮につながった。
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2022年は建設3Dプリンター実装の年、公共工事で進む造形計画
2022年1月に、国土交通省土佐国道事務所の道路改良工事で初めて、建設3Dプリンター製の集水升が設置された。これを皮切りに、2022年はあちこちの公共工事で印刷造形する計画が動き始めている。スタートアップ企業のPolyuse(ポリウス、東京・港)によると、20~30件で実装される。