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テレワーク実施後に感じた悪い点として、業務効率の低下や勤務時間の長期化などが挙がっている。こうしたテレワークの負の側面を克服するには時間と場所を有効に活用して柔軟に働く工夫が欠かせない。今回はテレワークの専門家が勧めたり、先進企業が取り組んだりしている、テレワークにおける時間の有効活用ノウハウを紹介しよう。

 前回はアフラック生命保険におけるテレワーク環境下での時間管理に関する取り組みを紹介した。業務に集中する時間をまず確保。そのうえでミーティングのコアタイムを設定していた。

 一連の取り組みは、テレワーク環境下で高い成果を出すための時間管理術の好例と言える。なかでも業務に集中する時間を確保することは、専門家も勧めるテレワーク術だ。サイボウズ チームワーク総研のなかむらアサミシニアコンサルタントは「会議や打ち合わせなどの予定を入れない時間を自身のスケジュール上に確保しておくとよい」とアドバイスする。

 例えばある日の予定がオンライン会議ばかりになったら、翌日は午前10時から午後5時までを自身の仕事の時間として確保。こうしておけば、「担当作業をしっかり進められるし、仕事上の考え事をする余裕も生まれる」となかむらシニアコンサルタントはメリットを語る。

 自身の仕事の時間を確保しておかないと、様々な仕事の依頼や打ち合わせの要望を受け入れ過ぎて、自身の仕事の時間が削られてしまう。心理的な余裕がなくなったり、生産性が低下したりする事態を招きかねない。そうならないようにするためにも、自身の仕事の時間はしっかりとスケジュール上で確保しておきたい。

 テレワークで時間を有効に活用するノウハウは他にもある。そこで以下では、ビジネスパーソンが自身の仕事に取り組む時間と、オンライン会議に関連する時間をそれぞれ有効活用するノウハウを4つ紹介する。第1のポイントは前述の「自身で取り組む仕事の時間をあらかじめスケジュールに組み込んでおく」ことだ。

会議後に発生する「宿題」の時間も確保

 あらかじめスケジュールを確保しておきたい自身の仕事として、あまり考慮されていないのが会議後の「宿題」だ。「オンライン会議が終わった後、宿題とも言える作業が出てくることがある。その作業をする時間も確保しておく必要がある」となかむらシニアコンサルタントは指摘する。宿題とは、会議内容を踏まえて文書を作成したり修正したりする作業などを指す。この宿題をする時間を事前に確保しておくことが第2のポイントだ。

テレワーク環境下におけるスケジュール確保のポイント例
テレワーク環境下におけるスケジュール確保のポイント例
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 なかむらシニアコンサルタントによると、宿題が出やすいのは、仕事を進める方向性などについて上司などと話し合う「相談」、新しい企画などについて説明する「起案」などの会議後だという。こうした会議の後は特に、意識して時間を確保しておこう。

 オンライン会議にはこの他、業務を進めるうえで必要な情報を部署内で共有する「連絡」、メンバーからリーダーに向けて担当している仕事の状況を知らせる「報告」もある。

 そこで、オンライン会議の予定を入れるとき、「報告」「連絡」「相談」「起案」など会議の種類も、日時とともにスケジューラーに登録しておくとよい。「オンライン会議が終わってから作業をする必要があるのかどうかを見極めやすくなる」(なかむらシニアコンサルタント)からだ。これが第3のポイントである。

 なかむらシニアコンサルタントはさらに、「テレワーク環境下ではオンライン会議の数が多くなりがちなので、見直すとよい」とアドバイスする。テレワーク環境下では出社勤務の場合と異なり会議室へ移動する必要がない。そのため、「ある会議が終わったらすぐに別の会議を始める」といったことが起こりやすいからだ。

 具体的には「会議そのものをなくすことができないか」「会議の代わりに、クラウドストレージによるファイル共有やビジネスチャットのやり取りといったその他の情報共有手段に切り替えられないか」などを検討したり、「報告や連絡に関する会議は実施時間を短めにする」といった工夫を凝らしたりするとよい。この「多くなりがちな会議は見直す」が第4のポイントになる。