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ビジネスパーソンはテレワーク環境下においても高いパフォーマンスを発揮して、仕事で成果を出すことが求められる。それには時間と場所を有効活用して柔軟に働けるテレワークならではの良さをフル活用することが欠かせない。一方で時間のメリハリがつかず、ずるずると残業を続けてしまいがちだ。今回は時間と場所を制することで「ずるずる残業」を回避するノウハウを紹介しよう。

 「通勤の必要がないので、時間に余裕が生まれる」「同僚や上司に話しかけられることがないので、パソコンでの作業に集中できる」――。在宅勤務を中心とするテレワークには、出社勤務にはないこうしたメリットがある。

 一方、時間の余裕や集中しやすさによって、「テレワークに取り組むビジネスパーソンが夜遅くまで仕事を続けてしまう」といった「ずるずる残業」のリスクもはらむ。このリスクを放置すると、テレワークに取り組むビジネスパーソンが心身に不調を来したり、生産性が低下したりする恐れがある。

テレワークでは夜遅くまで仕事を続けがち

 テレワークを積極的に実施しているテレワーク先進企業の現場でも、「テレワークに取り組む社員の仕事のし過ぎ」に警戒している。テレワーク先進企業の1社、ぐるなびの宇佐川卓弘開発部門開発部EngineeringS Unit12 Engineering Lead兼EngineeringS Unit9 Tech Leadは「テレワークを続けていると、夜まで仕事を続けてしまいがちになる。平日のプライベートの時間がなくなることもあり、定時になったら仕事を切り上げるようにする必要がある。仕事とプライベートの切り分けがとても重要だ」と指摘する。

 テレワークに取り組むビジネスパーソンがずるずる残業に陥らないようにするには、働く時間や場所についてメリハリをつけるのが有効だ。テレワーク先進企業ではずるずる残業を回避する施策を講じている。

 そうした企業のなかの1社、アフラック生命保険では、社員が仕事と子育てといったプライベートを両立できるように、在宅勤務やサテライトオフィス勤務をできるようにしたり、1日に働く時間を柔軟に設定できるフレックスタイム制度を導入したりしている。

 このため、在宅勤務をしている社員は「育児や家事を日中の時間帯に済ませてその分、夜に仕事をする」といった時間の使い方ができる。しかし、夜遅くまで仕事に取り組むと、集中力の低下や疲れなどで生産性は落ちる傾向にある。そこで「深夜に仕事をするのはやめるよう、社内で方針を打ち出している」と、アフラック生命保険の松田悠希ダイバーシティ推進部課長代理は説明する。

 一般に、繁忙期になると仕事を切り上げる時間が夕方以降にずれ込み、ずるずる残業も増える。アフラック生命保険ではこうした場合でも、部下の仕事の負荷を減らしたり、業務の優先度を見直したりして、テレワーク環境下でも深夜残業が起こらないように上司が注意を払っているという。

テレワークにおける時間に関する課題と対策の方針・工夫例
テレワークにおける時間に関する課題と対策の方針・工夫例
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 松田課長代理は「今夜、残業をしてまで取り組まなければならない仕事なのかを確認したり、この仕事の続きはあすでいいですよといった声かけをしたりするなど、上司が部下としっかりとコミュニケーションを取っていく必要がある」と、指摘する。

「夕方以降の連絡にはすぐ返事をしない」と割り切る

 テレワークに取り組むビジネスパーソンも自身で、ずるずる残業をしないために意識を高めておく必要がある。

 ぐるなびの宇佐川Engineering Lead兼Tech Leadもずるずる残業の回避策に関して、「終業時刻になったら仕事をやめて、テレワークをしている自分の部屋から出るようにするなど、仕事とプライベートの切り分けが重要だ」と指摘する。終業時刻が来たら「作業をしていたパソコンの電源を落とす」といったことを決めて実践するのも有効だという。

 ぐるなびの岩本俊明開発部門開発部部付Chief Tech Leadも午後6時以降は、仕事に関する情報をやり取りするためのビジネスチャットやメールを送らないようにしているという。

 岩本Chief Tech Leadはシステム障害などすぐに対応する必要がある場合は電話で応対するようにしてはいる。しかしそれ以外については「緊急の用件はほぼない。そう考えて、ビジネスチャットやメールの確認・返信は翌日、回答している」と話す。