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 台湾PlayNitride(プレイナイトライド)は2022年5月10~12日に開かれた「Society for Information Display(SID) Display Week 2022」の展示会に、マイクロLEDと量子ドット(QD)を組み合わせたディスプレーのプロトタイプを出展した。同社はこれまでマイクロLEDディスプレーの開発をけん引してきたメーカーである。

 マイクロLEDは、非常に微細なLEDを並べてそれらを個々に発光させるディスプレー技術で、高精細、超高輝度、高コントラスト、長寿命などの優れた特性を備える。ただし、製造が難しく高コストである上に性能面で弱点もあった。色である。LEDの発光色は青色など短波長の光。ディスプレーの構成に必要なR(赤色)、G(緑色)、B(青色)の3色のうち、Bはそのままでも使えるが、RやGはカラーフィルターで青色の光を変換する必要がある。このため、一般の白色LED照明と同様に、RやGの色が必ずしも理想的ではなく、色域の広さやバランスに課題を抱えている。

 この課題を解決する手段の1つが、QD入りカラーフィルター(QD Color Conversion:QDCC)の利用だ。QDは直径が10nm前後の半導体性の金属化合物で、光を照射するとそれを独自の色に変換して発光する。しかも、サイズを変えることで可視光のほとんどの色を出し分けることができる。QDでRやGの色純度やバランスを強化した液晶テレビは10年近く前から発売されている。

量子ドット(QD)カラーフィルターを利用した7.56型マイクロLEDディスプレー
量子ドット(QD)カラーフィルターを利用した7.56型マイクロLEDディスプレー
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量子ドット(QD)カラーフィルターを利用した7.56型マイクロLEDディスプレー
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(写真:日経クロステック)

 今回、プレイナイトライドが出展したQDCC利用のマイクロLEDディスプレーは画素数が7.56型で720×480画素のタッチ機能付き。輝度のダイナミックレンジが大きいとするが、実際、ギラギラしている印象だった。詳しくは明かさなかったが、QDCCはパナソニック製の装置で作製したという。

従来の液晶ディスプレー(右)との比較
従来の液晶ディスプレー(右)との比較
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色の差というより、輝度の差が目立つ(写真:日経クロステック)