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 iPadはコンテンツ消費に向いた端末といわれることがある。WebブラウジングやSNS、動画視聴などに手軽に利用できるためだが、「消費以外の用途には向かない」といった裏の意味が込められている場合も多い。しかし、それはiPadの一面を捉えているにすぎず、実際にはクリエーティブな用途はもちろん、仕事の現場でも活躍するポテンシャルがある。本連載では、iPadをビジネスシーンで活用する際に必要となる各種テクニックを取り上げていく。

iPadに情報を集約させる

 とはいうものの、iPadでいきなりパソコンの用途を全て置き換えるのは難しい。まずは多くのビジネスシーンで活用できると思われる情報の収集および管理にiPadを使ってみよう。

 このとき活用してほしいアプリが、iPad標準の「メモ」だ(図1)。メモアプリはテキストデータだけでなく、Webページへのリンク、画像、音声などさまざまな形式のデータを扱えるため、情報の集約場所として最適だ。1つのメモに関連する情報を、スクラップブックのように貼り付けていくだけでよい。それを時間のあるときに別のメモにコピーや移動して整理してもよいし、それぞれの情報は共有機能を用いて「ファイル」アプリに書き出せば、元のデータ形式を損なうことなくファイルとしてパソコンからも利用できる。

「メモ」アプリはデータの「万能格納箱」
「メモ」アプリはデータの「万能格納箱」
図1 iPad標準の「メモ」アプリはテキストデータのほか、Webページへのリンク、画像、音声、PDF、位置情報などさまざまな形式のデータを扱うことができる。それぞれのデータはほかのアプリに書き出して再利用も可能だ
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忘れないうちに素早くメモ

 ふと思い付いたアイデアを次の瞬間には思い出せなかったり、しばらくたつと思い付いたことすら忘れてしまったりといった経験は誰しもあるだろう。これを防ぐには、忘れないうちにメモを取るに限る。iPadに搭載されている「クイックメモ」は名前が示す通り、素早くメモするための機能だ(図2)。

ひらめきを「クイックメモ」を使って素早くメモする
ひらめきを「クイックメモ」を使って素早くメモする
図2 画面の右下隅から中央に向かってスワイプすると「クイックメモ」が開く。どのアプリを使っていても常に同じジェスチャーで呼び出せて素早く書き込める。ひらめきが消えてしまわないうちにメモに書き留めよう
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 クイックメモはiPadの画面右下隅を内側に向かってスワイプすると小さなウインドウ形式で呼び出される。アプリ使用中でも呼び出せるので、それまでの作業を中断することなく、思い付いたことを書き留めるのに便利だ。また、常に直前に書き込んだメモが呼び出されるので、さまざまなアプリを横断して収集した情報をまとめていく際にも活用しやすい。

 呼び出したクイックメモの画面で「新規クイックメモ」を作成することもできる(図3)。それぞれのクイックメモは画面の左右スワイプで切り替えられるが、数が多くなり過ぎると「クイックさ」が失われてしまう場合がある。自分が使いやすい範囲で活用するのがお勧めだ。

クイックメモの操作はこれで完璧
クイックメモの操作はこれで完璧
図3 クイックメモは複数枚作成して、書き込む内容に合わせて切り替えて使うとより便利だ。新規クイックメモの作成と切り替え方法は真っ先に覚えたい
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