iWorkには「無料で全ての機能が使える」という大きな魅力がある。iPadのユーザーインタフェースへの対応や新機能をいち早く取り入れてユーザーに使いやすい環境が提供される点も純正ならでは。
しかし、Officeを使い慣れたユーザーがiWorkを使うと違和感があるのは確かだ。この違和感は、各アプリにおける基本的な設計思想の違いが大きい。例えば、Pagesを「ワープロ」アプリと紹介したが、使い勝手で言えば「Adobe InDesign」に代表される「文書レイアウト」アプリに近い部分が多い(図6)。
Numbersで最も基本のテンプレートを選んで新規書類を作成すると、ページの左上に小さな表が1つだけ表示される。表の右や下は罫線もなく真っ白だ。膨大な数のセルで画面が埋め尽くされるExcelとはかなり趣が異なる。Numbersでは初めに表示された表の行や列を必要な分だけ追加したり、空白部分には別の表やグラフなどの要素を追加するといった流れで書類を作成していく(図7)。
Keynoteは、PowerPointとはひと味違うエフェクトやアニメーション、シンプルなデザインのテンプレートに特徴がある(図8)。
iPadでは画面を指で操作したり、対応するマウスやトラックパッド(タッチパッド)で操作したりするが、パソコンほど正確に動かすことは難しい。これは、各アプリに用意される「ガイド」機能で解決するとよいだろう(図9)。