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 テレワークに役立つと思うクラウドやサービスのうち、使ったことがあるITツールにはどんなものがあるか――。日経BP 総合研究所 イノベーションICTラボが40種類を対象に調査したところ、間接業務を支えるクラウドサービスが高い評価を集めた。

 調査は日経BP 総合研究所 イノベーションICTラボが2022年4月に実施した。「テレワークを円滑に進めるために役立つと思うITツールやサービスを選んでください」と尋ね、それらのうち「実際に使っている/使ったことがある」ものを複数回答可の形で選んでもらった。

 選択肢は40種類を用意し、6分野に細分化して集計した。6分野とは「端末・通信関連」「対話・情報共有ツール/クラウド」「業務効率化・ペーパーレス支援ツール/クラウド」「特定部門向け業務用ツール/クラウド」「情報保護関連」「周辺機器・その他」である。

 このうち最も注目したいのは、「業務効率化・ペーパーレス支援ツール/クラウド」だ。経費精算、勤怠管理、電子稟議(りんぎ)/ワークフロー、電子証明書(電子ハンコ)、電子マニュアル、EDI/電子契約である。いずれも間接業務を支援する用途であり、多くの社員が利用するタイプのサービスだ。

間接業務を支える「勤怠管理」「電子稟議(りんぎ)/ワークフロー」「経費精算」「電子証明書(電子ハンコ)」「電子マニュアル」「EDI/電子契約」は前回から全て割合が上がった。テレワークに「役立つ」と思うITツールやサービスのうち「実際に使っている/使ったことがある」ものを複数回答可の形で聞いた結果(n=373 2022年4月、n=340 2021年10月)
間接業務を支える「勤怠管理」「電子稟議(りんぎ)/ワークフロー」「経費精算」「電子証明書(電子ハンコ)」「電子マニュアル」「EDI/電子契約」は前回から全て割合が上がった。テレワークに「役立つ」と思うITツールやサービスのうち「実際に使っている/使ったことがある」ものを複数回答可の形で聞いた結果(n=373 2022年4月、n=340 2021年10月)
(出所:日経BP 総合研究所 イノベーションICTラボ、以下同)
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 これら6大クラウドの全てで、「使っている/使ったことがある」と回答した人の割合が増えた。このうちEDI/電子契約を除く5つは、今回を含め全3回の調査の中で最高割合を獲得した。間接業務の効率化に役立つクラウドサービスが日本企業の間で着実に浸透している様子が浮かび上がった。

 一方で受発注や人事、給与計算、在庫管理など特定部門が使うツール/クラウドは伸び悩んだ。

40種類のトップ3は前回と同じ顔ぶれ

 ここからは全40種類について見ていく。「使っている/使ったことがある」と回答した人の割合が高い順にランキングすると、トップ3は「ノートパソコン」(87.9%)、「Web会議(Zoomなど)」(75.9%)、「ビジネス向けチャット(Teamsなど)」(73.8%)だった。いずれもテレワークに欠かせないツールであり、トップ3の顔ぶれは2021年10月の前回調査と同様だった。

テレワークに「使っている/使ったことがある」ITツールとサービスのランキング
順位(前回順位)ツール・サービス名回答率(%)
1(1)ノートパソコン87.9
2(2)Web会議(Zoomなど)75.9
3(3)ビジネス向けチャット(Teamsなど)73.8
4(4)電子メール71.7
5(6)Wi-Fi環境63.1
6(5)予定表/情報共有/グループウエア55.9
7(8)VPN(バーチャル・プライベート・ネットワーク)51.7
8(11)勤怠管理51.4
9(7)光回線50.0
9(9)椅子50.0
(出所:日経BP 総合研究所 イノベーションICTラボ)

 4位は「電子メール」(71.7%)だった。5位の「Wi-Fi環境」(63.1%)は前回調査の6位から順位を1つ上げた。入れ替わる形で前回5位だった「予定表/情報共有/グループウエア」が6位(55.9%)に順位を落とした。

 7位は「VPN(バーチャル・プライベート・ネットワーク)」(51.7%)で前回の8位から1つ順位を上げた。8位は「勤怠管理」(51.4%)だった。前回の11位から躍進した。9位は「光回線」と「椅子」が50.0%で同率だった。