今や大人気のスクリプト言語「Python」は、PC内の処理はもちろんインターネットやクラウドとの親和性も高いという特徴を持つ。Pythonを使ってExcelファイルの変換などPC内で完結する処理から、クラウドを活用した各種自動化処理まで便利なスクリプトの数々を紹介する。
インターネットで公開されている情報を定期的に取得し、その情報に基づいて何かの処理をしたい場合があります。昨今、多くのWebAPIやオープンデータが公開されています。それらの有益な情報同士を組み合わせることで、思ってもみない付加価値を見いだすことができるかもしれません。
ここでは、そうした一例として気象情報を定期的に取得して、グラフを描画するスクリプトを紹介します。気象庁が日々公開している気象情報(最高気温と最低気温)を取得してCSVファイルに追記するスクリプト「download.py」(図1)と、そのCSVファイルを読み込んでグラフを描画しPNG形式で保存するスクリプト「graph.py」(図2)の二つで構成します。
気象庁は、さまざまな気象データを公開しています*1。その中からここでは、「最高気温」と「最低気温」のデータを使ってグラフを描画します。二つのデータは別々のCSVファイルで配布されています*2。
これらCSVファイルの内容を表計算ソフトで開いて見てみると、日本全国900カ所以上の気温データを得ることができます(図3)。こうしたCSVデータから任意の観測所のデータを取り出して、最高気温と最低気温の日別CSVを再構築します。
CSVファイルをWebからダウンロードするのにrequestsモジュール、CSVファイルから任意のデータを取り出すのにpandasモジュール、グラフの描画のためにmatplotlibモジュールを利用します。次のようにインストールしてください。