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1. QCDに関する問題が少ない企業は、業績が若干良い傾向
 [QCD問題と業績]

 まず、過去5年間の業績の上昇/下降傾向と、開発におけるQCDの問題との関係性から見ていきます。QCDの品質・コスト・スケジュールそれぞれについて、「問題がある」(「多くのテーマで問題が発生している」+「一部のテーマで問題が発生している」)と回答した企業と、「問題がない」(「ほとんど発生していない」+「問題は発生しているが、想定内で無難に対応できている」)と回答した企業では、「業績は上昇傾向」という回答割合にどの程度の開きがあるかを見てみると、以下のような結果となりました(図3、4)。

* アンケートでは、QCDの品質、コスト、スケジュール3項目に関してそれぞれ問題があるかを聞き、別の設問で過去5年間の業績が上向きか下向きかを聞いた。従ってQCDの問題と業績の関係について3通りのクロス集計結果を得ている(図4)。個々のクロス集計だけでは全体が分かりにくいため、QCD全般の水準の指標として3項目の集計結果の平均を図3に示す。
【QCD全般】
  • 品質、コスト、スケジュールの3項目それぞれについて平均をとると、「問題がない」場合の「業績は上昇傾向にある」との回答は、「問題がある」場合の「業績は上昇傾向にある」との回答と比べて0.97倍(33.1%→32.0%)と、ほぼ同じ
  • 「問題がない」場合の「業績は下降傾向にある」との回答は、「問題がある」場合の「業績は下降傾向にある」との回答に比べて0.82倍(27.2%→22.4%)と少ない
図3 過去5年間の業績とQCD問題の有無(3項目平均)の関係性
図3 過去5年間の業績とQCD問題の有無(3項目平均)の関係性
「品質」「コスト」「スケジュール」3項目についての平均。(出所:PwCコンサルティング)
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図4 過去5年間の業績とQCD問題(個別)の有無の関係性
図4 過去5年間の業績とQCD問題(個別)の有無の関係性
「品質」「コスト」「スケジュール」それぞれについての結果。(出所:PwCコンサルティング)
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【品質】
  • 「品質に関する問題がない」と回答した企業と「品質に関する問題がある」と回答した企業とで、「業績は上昇傾向にある」と回答した割合はほぼ同じ(32.7%と32.8%)
  • 「品質に関する問題がない」と回答した企業は、「品質に関する問題がある」と回答した企業より、「業績は下降傾向にある」と回答した割合が0.70倍(28.6%→20.0%)と少ない
【コスト】
  • 「コストに関する問題がない」と回答した企業は、「コストに関する問題がある」と回答した企業より、「業績は上昇傾向にある」と回答した割合が1.07倍(31.7%→34.0%)と若干多い
  • 「コストに関する問題がない」と回答した企業は、「コストに関する問題がある」と回答した企業より、「業績は下降傾向にある」と回答した割合が0.59倍(27.2%→16.0%)と少ない
【スケジュール】
  • 「スケジュールに関する問題がない」と回答した企業は、「スケジュールに関して問題がある」と回答した企業より、「業績は上昇傾向にある」と回答した割合が0.84倍(34.6%→29.2%)と少ない
  • 「スケジュールに関する問題がない」と回答した企業は、「スケジュールに関して問題がある」と回答した企業より、「業績は下降傾向にある」と回答した割合が1.33倍(23.6%→31.3%)多い

 スケジュールに関しては、QCD問題がある企業のほうが業績は良い傾向にあるといった意外な結果が出ましたが、品質とコストに関してはQCD問題がない企業のほうが業績は良い傾向にあるといった、想定通りの結果となりました。またQCD全般で見ても、QCD問題がない企業のほうが業績は若干良い傾向にあると見て取れる結果でした。