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 2022年5月に日経BPとPwCコンサルティング(東京・千代田)が連携して、第2回「開発マネジメント実態調査」を実施しました。この調査は、企業の業績、製品開発におけるQCD〔品質・コスト・スケジュール(納期)〕の問題の有無と、開発マネジメントの水準の間にどのような関係性があるかを見いだす目的で行ったものです。今回説明するのは、この調査から得られた「開発マネジメントの水準が高いと、業績に有利でQCDの問題も少なくなる」という分析結果です。

 調査方法は、本コラムの前回で解説した開発マネジメントのフレームワークで定義されている9つの視点ごとに、以下の5段階の水準を設定し、回答者に現状の水準を聞きました(図1)。

図1 開発マネジメントの各視点の概要
図1 開発マネジメントの各視点の概要
(出所:PwCコンサルティング)
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開発マネジメント水準
レベル1: 取り組みが根本的に不足し、成果が出ていない
レベル2: 努力しているが、成果が出るまでには至っていない
レベル3: 成果が部分的に出始めている
レベル4: 業界トップレベルではないが、成果が出て進化を継続している
レベル5: 業界トップレベル

 このレベルは、表1の「悪い状態」と「目指す姿」に準じて設定しています。すなわち、悪い姿がレベル1、目指す姿がレベル4の状態としています。レベル5はレベル4から進んで業界トップレベルの域にまで達している状態です。この5段階のレベルで、レベル1~2を「開発マネジメント水準が低い」、レベル4~5を「開発マネジメント水準が高い」と定義しています。

表1 開発マネジメントの「悪い状態」と「目指す姿」
表1 開発マネジメントの「悪い状態」と「目指す姿」
(出所:PwCコンサルティング)
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 この調査結果の概要は既に公開していますが、今回は調査結果をより深掘りし、部品メーカー各社が業績やQCDを向上させるために開発マネジメントをどのように高度化していくべきかについて考察します。

業績とQCD問題と開発マネジメント水準の関係性

 まず、本調査から明らかになった「(企業の)業績」「(開発における)QCD問題」「開発マネジメント水準」の“三つどもえ”の関係性について紹介していきます。調査結果を要約すると、以下の点が挙げられます。

1. QCDに関する問題が少ない企業は、多い企業に比べて、業績が若干良い傾向にある
2. QCDに関する問題が少ない企業は、多い企業に比べて開発マネジメント水準が高い傾向にある
3. 業績が上昇傾向の企業は、開発マネジメント水準が高い傾向にある
図2 「業績」「QCD問題」「開発マネジメント水準」の関係性
図2 「業績」「QCD問題」「開発マネジメント水準」の関係性
(出所:PwCコンサルティング)
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 以下、この3つそれぞれについて説明します。