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 国土交通省は、国や地方自治体が発注する小規模な現場に対し、利用が伸び悩むICT(情報通信技術)施工を後押しする。2022年3月31日に安価で汎用的なICT機器を小規模現場で導入するための各種要領などを公表。22年5月中には要領の対象工事を拡大する。22年度にさらなる関連施策を打ち出し、小規模工事の受注が多い中小の建設会社に対して、ICT機器の導入を促す。

 要領は、施工土量が100m3以上1000m3以下の土工事のほか、床掘り工事や法面工事が主な対象だ。安価で汎用的なICT機器を導入する際の方針を記載した実施要領と積算要領を作成した。

 要領には、直轄工事でICT機器の導入を義務化するといった拘束力はない。施工者が同装置の導入を検討する際に、その判断材料として活用することを想定している。

操縦者を補助するマシンガイダンス機能をバックホーに後付けするシステムのイメージ。安価で汎用的なICT機器導入に向けた実施要領で、その活用方法を明示した(資料:国土交通省)
操縦者を補助するマシンガイダンス機能をバックホーに後付けするシステムのイメージ。安価で汎用的なICT機器導入に向けた実施要領で、その活用方法を明示した(資料:国土交通省)
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 実施要領は、操縦者を補助するマシンガイダンス機能をバックホーに後付けする装置に着目した点が特徴。後付け型装置は一般的なバックホーで使えるため、ICT建機の購入費用を抑えられるメリットがある。小規模な現場を担う中小の建設会社でも導入しやすい。

 実施要領では、後付け型装置の使用方法について明示。同装置を使用した場合の工事成績の加点方法など、各種基準を盛り込んだ。同装置導入のハードルを下げることにつながりそうだ。

 同装置で施工した場合の積算要領も作成し、3月31日から運用を開始した。発注者としての事業費の目安を示すことで、受注者が同装置を導入する際の参考にできるようにした。

 国交省は22年5月中に、3月31日に公表した施工土量100m3以上1000m3以下の土工事などに加えて、100m3未満の小規模土工事についての実施要領と積算要領も公表する予定だ。

3次元レーザースキャナーを搭載したスマホによる出来形測量の様子。要領案によって小規模な現場の出来形測量に活用しやすくなった(写真:日経クロステック)
3次元レーザースキャナーを搭載したスマホによる出来形測量の様子。要領案によって小規模な現場の出来形測量に活用しやすくなった(写真:日経クロステック)
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 小規模現場に適した3次元計測技術を用いた出来形管理の要領案も3月31日に公表した。対象は施工土量が1000m3未満の小規模土工事。同技術を用いた監督・検査の手法を明確にすることで、現場での活用を促す。具体的な方法として、3次元レーザースキャナー搭載型の市販スマートフォンを用いた測量方法を盛り込んだ。

 モバイル端末を活用した出来形管理の要領案については、22年度中に土工事と同時に施工する側溝などの小規模構造物まで適用範囲を拡大する予定だ。

 国交省は、レーザースキャナーに関して、ドローンや地上に設置するタイプの製品を用いた土工事の出来形管理要領案を16年~19年に順次、公表済み。しかし、いずれも専用の機材が必要なため小規模現場では導入のハードルが高いという課題があった。

 国交省総合政策局公共事業企画調整課の岡本由仁課長補佐は、「安価に使える技術を盛り込んだ」と、実施要領と積算要領、出来形要領案に共通する特徴を話す。

 各要領などの作成に際しては、21年度に「ICT普及促進ワーキンググループ(座長:建山和由・立命館大学教授 )」を計4回にわたって開催。小規模現場に適した技術について自治体や業界団体から意見を聞き、必要な要素や留意点などをまとめた。技術面は、同省の国土技術政策総合研究所に設けた建設DX実験フィールドで実証した。