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 日本建設機械施工協会が建設工事の施工データの連携に向けて動き出している。2021年10月に「施工データのAPI連携に関する協議会」を発足。22年度は地形データを対象に、まずは出来形管理や工程管理など発注者によるデータ連携の利活用方法を洗い出す予定だ。

 背景には、施工データの連携における課題がある。一般的な建設工事では、測量から検査、維持管理にいたる各工程で異なるメーカーの機器と異なるアプリケーションを使用するケースが少なくない。各アプリのデータ仕様が違うため“ぶつ切り”の状態になっており、現在では出来形管理以外に活用が進んでいない。

2022年5月時点のAPI連携協議会の参加企業一覧。ICT施工関連の企業が集まった(資料:日本建設機械施工協会)
2022年5月時点のAPI連携協議会の参加企業一覧。ICT施工関連の企業が集まった(資料:日本建設機械施工協会)
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 同協会の施工技術総合研究所研究第三部の椎葉祐士副主幹は、「異なるメーカー・アプリの施工データに簡単にアクセスして活用できる環境を構築する」と協議会設立の狙いを語る。点群情報や建機の稼働履歴といったICT(情報通信技術)施工で得られるデータの連携を円滑化して、メーカーの垣根を越えた利活用を推進する。

 データの連携に当たってはアプリケーションプログラミングインターフェース(API)連携を採用する。インターネットを介して異なるシステム間の情報を取得・処理するルールを定める仕組みだ。

 API連携は、データベースなどをゼロから構築する必要がないというメリットがある。異なるメーカーの既存アプリのソフトウェアの一部を公開し、他のアプリと連携する。ゼロからサービスを立ち上げるのに比べて低コストで構築できる。

API連携によってICT施工で得られるデータ連携を円滑化する。監督検査の完全オンライン化も検討する(資料:日本建設機械施工協会)
API連携によってICT施工で得られるデータ連携を円滑化する。監督検査の完全オンライン化も検討する(資料:日本建設機械施工協会)
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 API連携の導入で個々の施工データを1つに統合し、現場全体を表す施工データの取得が可能になる。個々のデータでは困難だったが、API連携によって発注者の監督検査業務への活用が見込めるようになる。