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 2022年5月26~28日、26回目となる「サイバー犯罪に関する白浜シンポジウム」が和歌山県田辺市で開催された。

 「サイバーセキュリティーはステークホルダーの相互信頼に基づく情報交換なしには守り切れない。交流を通じて信頼醸成を図り、次世代の人材を育成していく」(運営委員を務める立命館大学の上原哲太郎教授)との考えの下、同シンポジウムは参加者同士の交流を重視してきた。だが、新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響で、2020年と2021年はオンライン形式で開催した。

 2年ぶりのリアル開催となった今回は、サイバーセキュリティー専門家や企業などの実務者、警察関係者など約300人が参加した。

自治体はシステムに加えて書式・フォーマットも統一を

 1日目の最初に登壇したのは、情報法や知的財産法などを専門にする岡村久道弁護士である。「インターネット関連を中心とするこの1年における法律関係の動向」と題して講演した。

岡村久道弁護士
岡村久道弁護士
(撮影:日経クロステック)
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 岡村弁護士がまず解説したのが、2021年6月5日に成立・交付された「地方公共団体情報システムの標準化に関する法律」である。過去に京都府と府内市町村で共通システムの利用推進に携わった経験から、「長年の夢」として力を込めた。

岡村弁護士が振り返った、この1年のインターネット関連法の制定・改正
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岡村弁護士が振り返った、この1年のインターネット関連法の制定・改正
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岡村弁護士が振り返った、この1年のインターネット関連法の制定・改正
(撮影:日経クロステック)

 同法に基づき、全国約1700自治体はそれぞれの基幹業務に関する情報システムを、国が定める標準準拠システムに2025年度末までに移行する。 現在、標準化は住民基本台帳システムや税情報システムなど20業務システムを対象としている。

 これに対し岡村弁護士は、「旅費精算」といった申請書などの書式やフォーマットについても標準化と統一化を求めた。 「現状は自治体間だけでなく、同一自治体でも組織ごとに異なっている。(個人情報保護に関するルールが自治体ごとに異なっている)『2000個問題』どころか『2万個問題』だ」(岡村弁護士)。