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 モーターを高回転化すると、出力が同じ場合、モーターは小型化できる。ただ、高回転化によって減速に使う歯車から発生する音やノイズが大きくなるという課題がある。同コンセプトでは、摩擦を使って動力を伝達するトラクションドライブ減速機を適用して回転数を5分の1に落とし、その後に通常のはすば歯車を使った減速機を使う方式にすることで、音やノイズを低減した。高回転モーターとトラクションドライブ減速機を合わせた体積は、従来のモーターに対して30%小さい。トラクションドライブ減速機では遊星歯車機構を使っている。

 さらに同コンセプトでは、2速(減速比は1と2.5)の変速機を搭載することで、航続距離の延伸と動力性能の向上も図っている。すなわち、低中負荷時にはできるだけ効率の高い回転数で走り、高負荷時には減速比を上げて必要な大トルクを確保する。そして、その変速などに使うのが、変速用モーターとウオームギア(ウオーム、ウオームホイール)、カムなどから成るパワーフロースイッチングデバイスである。ウオームホイールの側面にカム面が形成してあり、変速用モーターでウオームを介してウオームホイールを回転させることで、カム面に接したピストンを動かして減速に使う遊星歯車機構を切り替えて変速したり、カム面に接したパーキングロック機構を機能させたりできる。

 さらに、変速時の衝撃を緩和し、滑らか(シームレス)に変速する機構も盛り込まれている点も特徴である。そのために搭載しているのが磁歪式トルクセンサーであり、同センサーで変速中のトルク変動を検知してそれをパワーフロースイッチングデバイスの変速用モーター制御部にフィードバックする。同制御部でできるだけトルク変動を抑えるように制御し、シームレス化を図っている。

 NSKは、こうしたコンセプトの電動アクスルを自ら開発するのではなく、そのための部品となるパワーフロースイッチングデバイス、磁歪式トルクセンサー、トラクションドライブ減速機などの部品を供給していきたい考えだ。