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 TDKは厚みが0.2mmと薄く「業界最軽量」(同社)とする圧電スイッチ「PiezoTap」を「人とくるまのテクノロジー展2022 YOKOHAMA」(2022年5月25~27日、パシフィコ横浜)において初展示した(図1)。外形寸法も7mm×7mmと小さいため、取り付け場所の制約が少ない。車載機器やウエアラブル機器などに両面テープで簡単に貼り付けて使える。例えば自動車では車載ディスプレーやインパネ(計器盤)、内装の裏側に取り付けることを想定する。

図1 TDKが開発を進める圧電スイッチの「PiezoTap」
図1 TDKが開発を進める圧電スイッチの「PiezoTap」
(写真:日経クロステック)
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 PiezoTapは、圧電素子を指で押したり離したりしたときに生じる電圧の変化を検知する仕組みのスイッチだ(図2)。静電式のスイッチとは異なり、手袋装着時や水に濡れている状態でも入力できる利点がある。

図2 PiezoTapの動作原理
図2 PiezoTapの動作原理
(写真:日経クロステック)
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 車載機器では、板バネを利用した機械式のスイッチを利用することが多いが、作動力が小さいものでも0.5N以上は必要で、厚みも0.5mm以上あるためデザインの制約を受けることがあった。PiezoTapでは最小作動力が0.3Nと小さく、軽いタッチで操作できる。電極など内部の構造を工夫することで感度を高めた。薄型にしたことでデザインの自由度が高まる。

 車載機器のほかにも、イヤホンやスマートウオッチなどのウエアラブル機器、冷蔵庫や洗濯機などの家電製品などに利用できるという。TDKは23年度中に車載向けのPiezoTapの開発を完了させ、24年度の製品化を計画する。