村田製作所は、運転者の状態検知や幼児の置き去り防止に向けて開発中のセンサーシステムを「人とくるまのテクノロジー展2022」(2022年5月25~27日、パシフィコ横浜)に出展した(図1)。同社が手掛ける複数のセンサー技術を組み合わせることで精度を高め、目的の安全機能を実現する技術事例を紹介した。自動車メーカーに提案することで採用を目指す。
村田製作所が今回、初披露したデモカーの座席には運転者の心拍数を測定する荷重センサーを設置した。心拍数から運転者の健康状態に異常がないか調べられ、将来的には注意喚起や運転支援などにつなげる狙いだ。
幼児の置き去りを検知する手法として、村田製作所はWi-Fi(無線LAN)の電波を使う開発中の技術も紹介した(図2)。カーナビなどに組み込むWi-Fiモジュールの電波の反射状況をモニタリングすることで、幼児のかすかな動きも検知できるようになるという。
車内ではWi-Fiの電波がさまざまなものにぶつかって反射しており、その合成波を受信機で捉えている。車内に人がいて動けばWi-Fiの合成波の振幅が変動するため、この変動量を解析すれば人の存在を検知できる仕組みだ。電波は車内のあらゆる場所に届いているため、死角のない検知ができるという。解析ソフトウエアは米Origin Wirelessが手掛ける。