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 日立Astemo(日立アステモ、東京・千代田)が、電動パワーステアリング(EPS)の20%軽量化に挑む。2020年代後半の量産開始を目指す。「人とくるまのテクノロジー展2022」(22年5月25~27日開催、パシフィコ横浜)で、デュアルピニオン式の試作品を披露した。

日立アステモが展示した電動パワーステアリングの試作品
日立アステモが展示した電動パワーステアリングの試作品
現行品から20%の軽量化を目指す。(撮影:日経Automotive)
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 同社が20%の軽量化に向けて取り組むテーマは大きく3つだ。具体的には、(1)ラックバーの中空化、(2)ラックバーのハウシングの薄肉化、(3)減速機の樹脂化――である。

 1つめのラックバーは、ステアリングの回転運動を、ピニオンギアを介して直線運動に変換してタイヤの操舵(そうだ)角を変える部品である。中身が詰まった鋼製の中実材を使うのが一般的で、丸棒の一部に歯を切ってある。日立アステモの展示品は、丸棒部分のみ中空化していたが、「歯のあるところも中空にしていく方針」(同社の担当者)という。

ラックバーを中空化
ラックバーを中空化
量産品は丸棒を使うことが多い。ラックバーを覆うハウジングは薄肉化する。(撮影:日経Automotive)
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 2つめのラックバーのハウシングに関しては、アルミニウム(Al)合金製の鋳造品の肉厚を薄くしていく。現行品は厚さ2.5mmで、これを2.0mmまで薄肉化する方針である。薄くすると強度に不安が生じるが、「リブの形状を工夫することで強度を確保する」(同担当者)。

 3つめは減速機の樹脂化である。正確には、EPS用モーターのトルクを増幅させる減速機のうち、ウオームホイールを樹脂化する。量産品のEPS向けウオームホイールは、歯を切ってある外周部分を樹脂化しているが、中心部は鋼材を使う。日立アステモは中心部にも樹脂を適用する方針だ。

樹脂製のウオームギア
樹脂製のウオームギア
中心部まで樹脂にする。(撮影:日経Automotive)
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 デュアルピニオン式のEPSの重さは、現状で9~10kgほどとされる。日立アステモは3つの取り組みを進めることで、8kg以下を目指す。