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 自動車用計器大手の日本精機が開発したHUD(ヘッド・アップ・ディスプレー)が、マツダの新型SUV(多目的スポーツ車)「CX-60」に採用された(図1)。同じく日本精機のHUDを採用したマツダの小型SUV「CX-30」に比べ、表示映像の面積を約3倍にした。日本精機は「人とくるまのテクノロジー展2022 YOKOHAMA」(2022年5月25~27日、パシフィコ横浜)で同HUDを初公開した。

図1 「CX-60」の外観(左)とインストルメントパネル(右)
図1 「CX-60」の外観(左)とインストルメントパネル(右)
赤枠内はHUDの表示映像と表示位置。マツダはHUDをCX-60のメーカーオプションとして設定する。(出所:マツダの写真に日経Automotiveが加筆)
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 HUDは運転者の視野の中に運転情報を重ね合わせて表示する車載部品である。CX-60のHUDは、フロントウインドーに映像を投映する「ウインドーシールド(WS)型」と呼ぶ方式だ(図2)。運転者は焦点を外景に合わせたまま運転でき、視点の移動を減らせる。一般的に投映部をステアリングホイール前方に搭載する。

図2 日本精機が展示したCX-60のHUDのデモ機
図2 日本精機が展示したCX-60のHUDのデモ機
車速やナビゲーションの右左折の情報、走行道路の法定速度などを表示する。(撮影:日経Automotive)
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 同HUDは、表示映像の面積に関わる画角が左右10度×上下3度である。日本精機の担当者によると「(WS型の)HUDが搭載され始めた頃は、画角は左右5度前後、上下1~2度だったが、自動車メーカーは大画面を求めるようになってきている」という。表示距離は、運転者の視点から2.7m前方に設定した。映像の生成には、TFT(薄膜トランジスタ)液晶ディスプレーを使う。

 日本精機はHUDにおいて、マツダのほか、高級車メーカーのドイツBMWや同Audi(アウディ)などを主要顧客に持ち、世界シェアでは首位を走る。ただ、最近は「他社との競争が激しくなってきた」(同担当者)。追いかけるのは、ドイツContinental(コンチネンタル)やデンソー、パナソニック オートモーティブシステムズなどだ。

 とりわけ、後発のパナソニック オートモーティブシステムズが、国内の自動車メーカー向けのWS型HUDで猛追をみせている。同社はHUDに2017年に参入し、トヨタ自動車の「ヤリス」や「アクア」といった量販車種や、日産自動車の新型電気自動車(EV)「アリア」を含む6車種に採用されている。