「TCP/IP」は、ネットワーク技術者が押さえておくべき基本的な技術の1つだ。どのようなアプリケーションを使うとしても、TCP/IPに関する知識は不可欠である。そこで本特集では、今さら聞けない「TCP/IP」の基礎知識を分かりやすく解説する。

今さら聞けない「TCP/IP」の基礎知識
出典:日経NETWORK 2022年4月号 pp.20-34 特集1 基礎から学ぶTCP/IP
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目次
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TCP/IPの後継技術になるか、常識を破る「QUIC」と「ICN」の衝撃
アプリケーションの高度化やデータ通信量の増加に対応するため、TCP/IPの後継となる技術の検討も始まっている。その代表格が「QUIC」というプロトコルだ。また、IPを使わない次世代のネットワーク技術の研究も進んでいる。その1つが「情報指向ネットワーク(ICN)」と呼ばれる技術である。
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データが確実に届くのは「TCP」のおかげ、信頼性と効率を高める4つの仕組み
TCP/IPでは、トランスポート層のプロトコルであるTCPがデータを確実に送る役割を担う。TCPは通信の信頼性と効率を高めるために、「3ウエイハンドシェーク」「データの再送」「ウインドウ制御」「スロースタートアルゴリズム」という大きく4つの仕組みを備える。巧みな仕組みの数々を解説する。
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なぜ最適な経路でデータを届けられるのか、「ルーティング」の謎を解く
通信相手との間にネットワークが複数ある場合、データを送る経路の候補は多数ある。その中から最適な経路を選択するのが「ルーティング」だ。一体、どうやって実現しているのだろうか。
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1つのIPパケットを複数の相手に同時送信、「マルチキャスト」の巧みな仕組み
IPを使う一般的な通信では、複数の相手に同じIPパケットを送る場合、それぞれに対してデータを送る必要がある。だが「マルチキャスト」という通信方式なら、1つのIPパケットを送るだけで複数の相手に同時に届けられる。一体、どのような仕組みなのだろうか。
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送信データを格納する「IPパケット」、IPv4とIPv6では何が違うのか
IPでは、データはIPパケットと呼ばれる「入れ物」に格納して送られる。IPにはIPv4とIPv6があり、それぞれでIPパケットの構造が異なる。何が異なるのだろうか。
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インターネットの標準技術「TCP/IP」、どうやってデータを送っているのか
TCP/IPは、インターネットや企業ネットワークで、事実上の標準技術として広く利用されている通信プロトコル群だ。「なぜTCP/IPと呼ばれているのか」「TCP/IPではどのようにしてデータを送るのか」など、TCP/IPとはそもそも何なのかを解説する。