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 ドイツBeckhoff Automation(ベッコフ)が従来とは全く異なる形の制御盤「MX-System」を「HANNOVER MESSE 2022」(2022年5月30日~6月2日、ドイツ・ハノーバー)で展示した。モジュール化した産業用パソコン(IPC)やリレーなどを専用のプレートに差し込み、ねじ止めするだけで構築できる。従来の複雑な配線作業が不要になるため、熟練者でなくても構築できる上に、構築時間を従来の数日から最短1時間に短縮できる。2022年末を目標に世界で発売する。

MX-Systemの構成例
MX-Systemの構成例
(写真:日経クロステック)
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 MX-Systemは制御盤に必要な各種機能を持つ箱型の「機能モジュール」と機能モジュールを組み込む板状の「ベースプレート」から成る。ユーザーは現場に必要な機能モジュールを選んで、ベースプレートに固定する。既存の制御盤の拡張部分だけMX-Systemで構築するなど、既に使っている制御盤との併用も可能だ。

組み立て途中のMX-System
組み立て途中のMX-System
下にある板状の部品がベースプレート。ベースプレートに設けられたスロットに箱型の機能モジュールを組み付ける。(写真:日経クロステック)
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 機能モジュールとしては、IPC、電源、I/O、モーションコントロール、リレーなどを取りそろえる。機能モジュールとベースプレートのインターフェース部のコネクターは、データ伝送用と電力供給用の2種類のみ。機能が異なるモジュールでもコネクターの形状は共通のため、機能モジュールの入れ替えによって柔軟に制御盤の機能を変更できる。

機能モジュール側のデータ伝送用コネクター
機能モジュール側のデータ伝送用コネクター
(写真:日経クロステック)
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 ベースプレートは各モジュールに電力を供給するとともに、EtherCATによる通信を可能にする。現状、3つの大きさを用意している。最小のものはコネクターを差すスロットが1列に6つ並び、最大のものは1列当たり24個のスロットが3列ある。必要なモジュールの数に合った大きさのベースプレートを選ぶ。