世界最大級の産業技術の国際展示会「HANNOVER MESSE 2022」(2022年5月30~6月2日)をレポートする。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、2020年は中止、2021年はオンラインのみだったが、2022年はリアル展示とオンラインとのハイブリッド開催となった。デジタル化に加えて、脱炭素化をテーマとした出展も多い。パートナーカントリーはポルトガル。

HANNOVER MESSE 2022
目次
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歩道を走る自動搬送ロボ、ラストワンマイルの配送担う
ギアやギアモーターを手掛けるドイツSEW-EURODRIVEは大学などと共同で、住宅地における「ラストワンマイル」で荷物を運搬する自動搬送ロボット(AGV)を開発した。電動で、屋外の歩道を走行する。車載のセンサーや5G(第5世代移動通信システム)通信により、通行人などを避けて走れる
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「販売量が毎年2倍に」、盛り上がる欧州の水素タンク市場
「HANNOVER MESSE 2022」で特に多かったのが水素関連の展示だ。道行く来場者の目を引いていたのが、水素を運搬するための巨大な水素タンク。欧州を中心に急増する水素関連需要を背景に、過去数年間の販売量が毎年2倍に伸びている企業もある。
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大きさは従来の半分、独ハーティングの「ドミノ型」新コネクター
コネクターメーカーのドイツHarting(ハーティング)は、必要なスペースを最大で50%削減できる、新しい産業用コネクター「Han-Modular Domino」を開発した。世界最大級の産業技術の国際展示会「HANNOVER MESSE 2022」(2022年5月30~6月2日、ドイツ・ハノーバー…
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独ベッコフが固定観念を覆す「箱なし制御盤」、構築時間を数日から1時間に
ドイツBeckhoff Automationが従来とは全く異なる形の制御盤「MX-System」を「HANNOVER MESSE 2022」で展示した。モジュール化した産業用パソコン(IPC)やリレーなどを専用のプレートに差し込み、ねじ止めするだけで構築できる。従来の複雑な配線作業が不要になるため…
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水素で飛ぶ燃料電池プロペラ機、4人乗りで最大巡航速度は約300km/h
水素を燃料とする飛行機の開発・製造などを手掛けるAPUS Zero Emission(以下、APUS)は、燃料電池で飛ぶ開発中のプロペラ航空機「APUS i-2」を産業技術の展示会「HANNOVER MESSE 2022」(2022年5月30日~6月2日、ドイツ・ハノーバー)で展示した。2025年…
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木の100倍CO2を吸収、量子センサー搭載した独Festoの藻類培養装置
世界最大級の産業技術展示会「HANNOVER MESSE 2022」(2022年5月30日~6月2日、ドイツ・ハノーバー)におけるドイツFesto(フエスト)のブースで、ひときわ目立つ展示があった。人の背丈を優に超えるほど大きく、展示物の中央が緑色に光り、上部は逆さにした傘のように広がっている。こ…
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独Festoが「世界初」空気圧駆動の協働ロボ、圧電素子で流量を制御
FA機器メーカーのドイツFesto(フエスト)が「世界初」(同社)の空気圧で動く協働ロボットを開発した。制御システムなどを含めた質量は一般的な協業ロボットの約半分の17kgと軽く、人にぶつかった場合も衝撃が小さく安全だという。
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水素活用のため地域と連携、GPジュールが目指す「100%再エネ」社会
全27ホール中、3ホールを「エネルギー技術ソリューション」に当てた「Hannover Messe 2022」(2022年5月30~6月2日、ドイツ・ハノーバー)。中でも目立ったのが「水素」だ。会場内には燃料電池車はもちろん、水素を燃料とするプロペラ飛行機まで展示。
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フラウンホーファーがピンポン玉で5Gの低遅延アピール、スマート化の研究も披露
インダストリー4.0(Industry 4.0)が世界最大級の産業技術展示会「HANNOVER MESSE」で提唱されて10年余り。インダストリー4.0が掲げた製造のスマート化は着実に進んでいるものの、まだ十分に実装されたとは言えない。
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電動化の波に商機、欧州で「ねじ」の拡販目指す日東精工
常連ともいえる大手工作機メーカーなど日本企業の出展が少なかった、産業技術の展示会「HANNOVER MESSE 2022」(2022年5月30日~6月2日、ドイツ・ハノーバー)。新型コロナウイルス感染症の拡大防止策による出入国の制約などが原因と思われるが、そんな中であえて「初出展」に挑んだ企業があ…
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MSが川崎重工と連携、仮想空間で協業できる「インダストリアルメタバース」開発
米Microsoft(マイクロソフト)が川崎重工業と連携し、仮想空間上でデジタルツインとメタバース(仮想空間)を活用して、複数の拠点にいる関係者の共同作業を実現できる技術を開発中だ。両社はこれを「インダストリアルメタバース」と称して、世界最大級の産業技術の展示会「HANNOVER MESSE 20…
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igusがさび知らずのプラスチック100%自転車、廃プラ製で再生可能
ドイツigus(イグス)が全ての部品をプラスチックで造った自転車を開発している。2022年末までに最初のモデルを完成させて販売する。石油由来のプラスチックで造った製品と、海洋プラスチックゴミなどの再生材から造った製品を用意する。
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非接触で電力とデータを伝送、フエニックス・コンタクトのカプラー
「カプラー(結合機)といっても配管を接続しない」――。ドイツPhoenix Contact(フエニックス・コンタクト)が欧州で2022年1月に発売したカプラー「NearFi Couplers」は、配管を接続せずに非接触で電力とデータを伝送できる。
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超軽量で高耐久の燃料電池用セパレーター、仏スタートアップが開発
フランスのスタートアップ企業HYCCOが、軽量で耐久性に優れた燃料電池用のセパレーターを開発した。プラスチックと炭素繊維の複合材でできており、重さは金属セパレーターの約半分。180℃の熱に耐えられ、金属と違って腐食しない。
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シーメンス「インダストリー4.0は実現した」、次は製品のCO2管理へ協会を設立
ドイツSiemens(シーメンス)は2022年5月30日、製品の二酸化炭素(CO2)排出量に関わる情報を供給網(サプライチェーン)全体で共有する目的で14の企業などと協会を立ち上げると発表した。
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THK、「予兆検知」で顧客を取り込み欧州でのシェア拡大に挑む
機械要素部品メーカーのTHKは、産業技術の展示会「HANNOVER MESSE 2022」に主力製品であるリニアガイドなど約150点を展示した。THK GmbH Director Head of Sales Office Europeの樽本健太郎氏は、「リニアガイドのシェアが2割前後と言われる欧州…
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HANNOVER MESSE 2022が開幕、3年ぶりのリアル開催
欧州最大の産業展示会「HANNOVER MESSE(ハノーバーメッセ) 2022」がドイツ・ハノーバーのハノーバー国際見本市会場で20122年5月30日に開幕した。会期は同年6月2日まで。2019年以来、3年ぶりのリアル開催となる。
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