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クラウドのコスト削減が課題に

 AWSなどドル払いのクラウドは全てのサービスで円安の影響を受ける。ただし例外的かつ時限的に円安の影響を受けないケースもある。1年や3年といった期間の先払いによる割引オプションを適用したサービスだ。例えばAWSは仮想マシンである「Amazon EC2」などのサービスを対象に、インスタンスタイプや利用期間を指定して購入するRI(リザーブドインスタンス)やSavings Plansなどの割引オプションを提供している。これを適用して1年または3年の先払いをしていれば、その期間は為替の影響を受けない。

 もっとも、契約期間が切れて次の購入をするときにはその時点の為替レートが適用される。その意味ではやはり、ドル払いの全てのクラウドサービスが円安の影響を受ける。AWSだけではない。メガクラウドではGoogle Cloudもドルでサービス料金を設定しており、日本のユーザーは円安によって支払額が増える。

 ユーザーはクラウドコストの削減を求められる。AWSのプレミアコンサルティングパートナーの1社であるアイレットの後藤和貴執行役員は「コスト削減の基本はリソースの無駄を省くことと、割引オプションを使うことだ」と指摘する。

 割引オプションはAWSではRIやSavings Plansなどが該当する。無駄を省く方法の例としては、開発環境などに立ち上げた仮想マシンを誰も使っていない時間は削除するといったことが挙げられる。

 他にも、めったにアクセスしないデータは料金単価が安いアーカイブ用のオブジェクトストレージに移したり、コンテナ基盤を導入してアクセス量に応じて柔軟に素早くオートスケールアウト/インする仕組みを整えリソースを最適化するといった方策もある。

 これまで値下げと円高基調が続いてきたことで、クラウドのコスト意識は他のITリソースに比べて緩かった面があるだろう。今回の円安をコスト意識を高める契機にしたい。