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DX宣言のアピールで仲間集めへ

2022年6月13日にAWSとSalesforceを全面的に採用するという「DX宣言」を出しました。

 ビックカメラがデジタル戦略に本気であることを対外的にアピールする狙いがありました。IT・デジタルは単なる業務改善のためのものではなく、今や経営戦略の柱です。2022年1月に立ち上げた「デジタル戦略部」には、IT・デジタル部隊を「経営戦略の中枢を担う組織にする」という意図があります。

(写真:村田 和聡)
(写真:村田 和聡)
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 ただ、宣言をしておいてなんですが、個人的にはDX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉はあまり好きではありません(笑)。「デジタルはあくまでツールであり、導入を目的にするな」と社内で口をすっぱくして言っています。

 ここ数年、DXがはやり言葉になり、踊らされている企業が明らかに多い。マーケットからある種のプレッシャーみたいなものがあって、何かDXと名が付きそうな取り組みをしないといけないような雰囲気になっていて、気付けば成長戦略に全く結び付かない無駄な投資をしてしまっている。

 でも今回は、あえて分かりやすいメッセージとして社外に発信するために、DX宣言としてぶち上げました。

なぜ対外的にアピールする必要があったのでしょうか。

 デジタル戦略を一緒に推進してくれる仲間を集めるためです。当社はこれから脱ベンダー依存に向けて、内製化に舵(かじ)を切ります。そのためには人材の確保が喫緊の課題です。ビックカメラがデジタルに力を入れている企業であることを世間に知ってもらい、まずは興味を持ってもらうことが重要と考えています。

 興味を持ってもらった上で、きちんとITエンジニアに見合った条件(給与)を提示する。そのために(ビックカメラとは)人事制度が異なる新会社も用意する予定です。私たち本体の給与体系だけでは、なかなかそういう人材を採れませんので。

なぜ内製化を進めるのでしょうか。

 ベンダーへの丸投げをやめ、IT・デジタル戦略を「自分ごと」と捉えるためです。当社のシステムは同業と比べ、決して遅れてはいませんでした。ずいぶんと投資をしてきましたから。ただ戦略をきちんと描けておらず、もったいない投資をしているケースが多かった。