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 ルネサス エレクトロニクスは、マイコンに混載する不揮発性メモリー「STT-MRAM(スピン注入磁化反転型磁気抵抗メモリー、以下MRAM)」を高速アクセスできる技術を開発した ニュースリリース 。今回の技術を使えば、現在マイコンに混載されている不揮発性メモリーのフラッシュメモリーと同等のスピードで、MRAMの読み出しを実行できる。フラッシュメモリーの混載が難しくなる22nm以降の微細プロセスでの実用化を狙う。同社は今回の技術の詳細を、半導体の国際学会「2022 IEEE VLSI Symposium on Technology & Circuits」(2022年6月12~17日(米国時間)にハワイで開催)で口頭発表した*1

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図1 試作チップとその概要
図1 試作チップとその概要
(出所:ルネサス エレクトロニクス)
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 今回、同社は、台湾TSMC(台湾積体電路製造)の22nmプロセスを使って、開発した技術を検証した(図1)。TSMCが開発したMRAMメモリー・セル・アレイ(容量は32Mビット)を使い、それを今回開発した技術の回路でアクセスする。車載ICで求められる+150℃の接合部温度で、ランダム読み出し時間が5.9nsと短いことを確認した。このアクセス時間ならば、CPUコアからのランダム読み出し周波数を120MHz以上にできる。120MHzは、同社の汎用マイコン「RX」のハイエンド品「RX72M」*2/「RX72N」*3や、車載マイコン「RH850」のハイエンド品「RH850/U2B」*4が混載するフラッシュメモリーのランダム読み出し周波数である。すなわち、MRAMの弱点と言われているランダム読み出し速度が、現行マイコンのフラッシュメモリーと同等のレベルに達した。

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