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デスクトップ環境の「GNOME」は、さまざまな便利機能を追加することができます。これを「GNOME Shell 拡張機能」と呼んでいます。GNOME Shell拡張機能は、GNOMEのバージョンに応じて動作しないものがあります。Part3では、Ubuntu 22.04 LTSで動作するGNOME Shell拡張機能を厳選して紹介します。

 旧版のUbuntu 20.04 LTSでは、GNOME Shell拡張機能(以下、拡張機能)を追加する方法が二つありました。一つは、Ubuntuのリポジトリーに用意されているパッケージをインストールすることで追加する方法。もう一つは、Webブラウザーを使って公式サイト*1上からインストールする方法です。Ubuntu 22.04 LTSでは、いずれの方法も少し状況が変わっています。

*1 https://extensions.gnome.org/

 まず一つめの方法ですが、Ubuntu 22.04 LTSのリリース直前に、あらかじめインストールされる拡張機能と一部の例外を除き、リポジトリーから削除されてしまいました。現在リポジトリーからインストールできる拡張機能は表1に挙げたものだけです。

表1 「Ubuntu 22.04 LTS」のリポジトリーからインストールできるGNOME Shell拡張機能
表1 「Ubuntu 22.04 LTS」のリポジトリーからインストールできるGNOME Shell拡張機能
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 リポジトリーからインストールできる拡張機能が減っても、二つめの方法を使うことで追加することが可能でした。ところが、Ubuntu 22.04 LTSでは、この二つめの方法が利用できなくなったのです。原因は、最初からインストールされているWebブラウザー「Firefox」が、Snapパッケージで提供されるようになったことです*2。Snapの強力なサンドボックス機能により、使用中のGNOME ShellとFirefoxとの連携が難しくなりました。

*2 Snap版の「Chromium」でも同様です。このように、あくまでSnapパッケージの制限なので、「Google Chrome」や「Microsoft Edge」、SnapパッケージではないFirefoxを使えば、従来通りWebブラウザー上で管理できます。なお、今回は解説を省略していますが、Flatpak版のWebブラウザーでも同様の制限があります。

 そこで、二つめの方法に代わる新たなツール「Extension Manager」が、2022年1月にリリースされました。まずは、Extension Managerを使った拡張機能の追加方法を見ていきましょう。