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(イラスト:高松 啓二)
(イラスト:高松 啓二)

 メタバースとは、仮想空間やそこで提供されるサービスのことであり、AR/VR端末などのハードウエアと、コンピュータープログラムなどのソフトウエアとによって実現される。端末の性能向上に伴って普及機運にあり、大手企業やスタートアップ企業の参入も相次いでいて注目されている。

 端末は、拡張現実(AR)、拡張現実+仮想現実(MR)、仮想現実(VR)の3種類から成り(図1)、これらを総称してXRともいう。

 AR端末は、シースルー型で現実の景色にCG(コンピューターグラフィックス)を重ねて表示するものであり、米Google(グーグル)の「Google Glass」が代表的な製品である。VR端末は、現実の世界から遮断されてCGのみが表示されるものであり、代表的なものにソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)の「PlayStation VR」がある。MR端末は、両者の中間に位置付けられるもので、米Microsoft(マイクロソフト)の「Hololens」が代表的である。

図1 XR端末
図1 XR端末
(出所:知財ランドスケープ)
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XR端末関連の世界特許情報の俯瞰分析(特許出願人のグローバルランキング)

 メタバース普及の鍵を握るXR端末について、2010年以降に世界中で特許出願された約8000件から成る母集団を用いて、出願人ランキングを作成した(図2)。

 出願人ランキングマップによれば、ソニーグループ(SIEが大半)が突出しており、コロプラと米Magic Leap(マジックリープ)、セイコーエプソン、キヤノンの4社が拮抗してトップ5を構成している。

 同ランキングマップでは、出願年でバーチャートを色分けしており、トップ6以降のメタバース銘柄に着目すれば、米Meta Platforms〔メタ・プラットフォームズ、旧Facebook(フェイスブック)、以下Meta〕や米Apple(アップル)による近年の傾注が顕著であり要注目といえる。

図2 特許出願人ランキング(出願年に着目した例)
図2 特許出願人ランキング(出願年に着目した例)
(出所:知財ランドスケープ)
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同俯瞰分析(上位特許出願人の特徴分析)

 IPC*1×出願人マトリクスマップ(図3)によれば、全体的に多いのはユーザーとコンピューターの連携(相互作用のための入力装置、対象特定)と3次元CGであり、次いでHUD*2である。

 ゲーム機のソフトでは、ソニーグループとコロプラ、バンダイナムコ、グリー、任天堂、中国・騰訊控股(テンセント)、スクエア、コナミの存在感が大きい。センサー/カメラ内蔵HUD併用ゲームでは、Microsoftと米Meta Platforms〔メタ・プラットフォームズ、旧Facebook(フェイスブック)、以下Meta〕の存在感が大である。

 車載HUDでは、日本精機やパナソニック、デンソー、コニカミノルタ、リコー、マクセル、韓国Samsung Electronics(サムスン電子)、ホンダ、トヨタ自動車の存在感が大きい。特にHUDに傾注するのは、セイコーエプソンとMeta、Google、Appleであり、センサー/カメラ内蔵HUDに傾注するのは、ソニーグループとMagic Leap、キヤノンだ。そして、センサー/カメラに傾注するのは、富士通と米Qualcomm(クアルコム)であり、タッチパネルなどに傾注するのは、ソニーグループと富士通、米Immersion Corporation(イマージョン・コーポレーション)、Apple、テンセントといえる。

 以上、各業界と各社の特徴がうかがえて本母集団は妥当といえよう。

*1 IPC(国際特許分類)とは世界中で共通に使用される分類コードの1つ
*2 ヘッド・アップ・ディスプレー
図3  IPC×出願人マトリクスマップ(出願年に着目した例)
図3  IPC×出願人マトリクスマップ(出願年に着目した例)
(出所:知財ランドスケープ)
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