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主要プレーヤーの特徴

 上述した82件の個別確認の結果、他の出願人にはあまり確認されない各出願人の特徴としてあぶり出された一覧も示すこととし、そのうちトップ4について特徴一覧を示せば図4のようになる。

図4 上位出願人の各社特徴(トップ4)
図4 上位出願人の各社特徴(トップ4)
(出所:知財ランドスケープ)
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 首位の米Microsoft(マイクロソフト)については、①ハード/ソフトウエアの融合(ジェスチャーや表裏画像処理など)と②視線操作によるUX向上の2つが特定された。“ITジャイアント”としてソフトの強みを生かそうという志向がうかがえる。

 2位の米Magic Leap(マジックリープ)については、③MRグラスのヘルスケア用途への戦略的展開と④ナノインプリンティングによるデバイス微細化の2つが特定され、高性能のハードを活用した有望用途としてヘルスケア領域を狙っている様子がうかがえる。

 3位のソニーグループについては、⑤HMD(ヘッドマウントディスプレー)装着時の安全性確保(対障害物など)と⑥アプリのフェードイン/アウトのシームレス化、⑦スマートフォン組み込み型HMDの3つが特定された。「PlayStation VR」向け没入型VR(仮想現実)端末を前提とする故の安全性確保や、同社の高性能スマホとのシナジー志向などがうかがえる。

 4位の米Qualcomm(クアルコム)については、⑧エンドユーザー視点でのチップセット開発志向と⑨リアルタイム3D-CG(Computer Graphics)作成時のデータ量削減の2つが特定され、チップセット専業企業としてスマホに次ぐ新たな収益源としてXR端末を狙う様子がうかがえる。

 こうした主要プレーヤーの特徴の詳細についても、次回以降で詳述するのでご覧いただきたい。

 なお、これらの特徴については、後から出願されたものに多数引用されていることから、各社特徴にとどまらず、潮流に準じたものも含まれることを申し添える。

山内 明(やまうち あきら)
知財ランドスケープ CEO 弁理士 AIPE認定シニア知的財産アナリスト
山内 明(やまうち あきら) 新たな開発・事業の羅針盤「IPランドスケープ3.0」を駆使するビジネスナビゲーター。メーカーでの開発設計経験と商社系シンクタンクでの知財コンサルティング経験を併せ持ち、ビジネス視点での分析・洞察力、戦略提言力に定評あり。 1995年、セイコー電子工業(現セイコーインスツル)に入社、エンジニアとして磁気軸受式ターボ分子ポンプの開発に従事し、発明者として数十件の特許出願を担当して社内優秀発明賞を受賞するとともに、該当発明の実施製品につき社内優秀ヒット商品賞を受賞。 2001年より酒井国際特許事務所に所属し、特許出願業務等に従事。 2003年より物産IPに所属し、知財室長としてナノテクノロジー分野等における知財戦略支援業務や知財管理業務等に従事し、在職中、カーボンナノチューブの事業化支援(事業会社設立に貢献)や、ロボットスーツの知財権利化支援(平成21年度21世紀発明賞受賞に貢献)等を担当。 2006年より三井物産戦略研究所に所属し、三井物産グループ向け知財コンサルティング部門を統括し、技術ベンチャー等の投資先候補の知財評価およびリスクマネジメント、優良投資先・事業アライアンス先の候補探索、優良顧客・商材の候補探索等、多岐にわたる知財コンサルティングを担当。 2020年より現職。前職時代に培った実務知見を生かし、IPランドスケープ専業として戦略提言や教育に特化した支援サービスを提供中。IPランドスケープ支援実務の最前線でVIP向けコンサルティングを担いながら、動画配信や伴走プログラム等、新たなサービスメニューの開発を主導中。 2009年より知財コンサルタント向けIPランドスケープ講座(日本弁理士会継続研修対象等)講師を担当し、独自手法を提唱するとともに、さまざまな外部専門家との互学互教を通じ、手法改良や新たな手法開発に取り組み中。