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(イラスト:高松 啓二)
(イラスト:高松 啓二)

 今回から各主要プレーヤーについてあぶり出された特徴や戦略を紹介していきたい。上位出願人のトップ4について、先の潮流の場合と同様に一覧にすれば図1の通りとなる。首位の米Microsoft(マイクロソフト)については、①ハード/ソフトの融合、②視線操作によるUX(ユーザー体験)向上の2つが特徴的である。

図1 上位出願人の各社特徴(トップ4)
図1 上位出願人の各社特徴(トップ4)
(出所:知財ランドスケープ)
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注目特許出願

 そこで、これら2つの特徴を中心として、Microsoft名義の重要特許を紹介したい。

 まず、①のハード/ソフトの融合については、同社名義の「JP5801401」(2010年、年平均他社被引用数52.3)が該当する(図2)。これは「透過頭部装着ディスプレイ用不透明フィルター」に関し、描写対象の表裏関係に応じて表示体を透明として、非表示体を不透明として重ね合わせ、これによって違和感のないMR(複合現実)グラスの高度化を図るものである。

 本出願については、10年以上前の特許出願ながら、近年の他社出願から引用され続けていることが確認されており、注目に値する。

図2 JP5801401(2010年、年平均他社被引用数52.3)
図2 JP5801401(2010年、年平均他社被引用数52.3)
(出所:知財ランドスケープ)
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 次に、②の視線操作によるUX向上については、同社の「JP5965410」(2010年出願、年平均他社被引用数41.7)が該当する(図3)。これは「多ステップ仮想オブジェクト選択」に関し、視線操作によってUX向上を図るものである。実際、2019年に上市された「HoloLens2」に視線入力ベースの対話式操作として採用済みであり、注目に値する。

 本出願も10年以上前に特許出願されながら、近年の他社出願から引用され続けていることが確認されたことから、今後、視線操作機能を搭載したXR端末が普及することが予想される。

図3 JP5965410(2010年出願、年平均他社被引用数41.7、上)と「HoloLens2」に視線入力ベースの対話式操作(下)
図3 JP5965410(2010年出願、年平均他社被引用数41.7、上)と「HoloLens2」に視線入力ベースの対話式操作(下)
(出所:知財ランドスケープ、対話式操作の画像はマイクロソフト(https://docs.microsoft.com/ja-jp/windows/mixed-reality/design/eye-gaze-interaction))
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