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 矢継ぎ早に改革を実行し、投資家やアナリストから一定の評価を得てきた富士通。時田隆仁氏が社長に就いた2019年6月と比べ、株価は2022年7月7日時点で2倍以上に上がっている。業績目標である「本業」の営業利益率10%達成に向け、市場も時田改革の成果に期待を寄せる。

 ただ、10%達成は「出発点」(時田社長)にすぎない。顧客と時代の要請に応え、富士通が持続的に成長するには、5つの課題に正面から向き合う必要がある。

新事業ブランド「Uvance」、社員に自分事とさせられるか

 第1の課題は、新たな全社事業ブランドと位置付ける「Fujitsu Uvance(ユーバンス)」を、具体的な事業と成果に結び付けられるかだ。

 Uvanceとは、「サステナブル(持続可能)な世界の実現に向け、社会課題の解決にフォーカスしたビジネスを推進する」として、2021年10月に発表したブランドである。2030年の社会を想定し、そこからバックキャスト(逆算)して社会課題の解決に必要な7つの重点注力分野を定めた。

「Fujitsu Uvance」の全体像
「Fujitsu Uvance」の全体像
(出所:富士通)
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 「一言で言うと全社の事業戦略。時田(社長)の下で定めた当社のパーパス(存在意義)を事業に落とし込み実現する方策が、Uvanceに当たる」。Uvanceを担当する島津めぐみ執行役員はこう説明する。

Uvanceを担当する島津めぐみ執行役員
Uvanceを担当する島津めぐみ執行役員
(出所:富士通)
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 Uvanceの下、富士通は2つの企業文化を転換させる。1つは「ご用聞き」とも称される、顧客に対する受けや待ちの姿勢だ。社会課題を富士通が自ら見定め、解決策を顧客企業とともにつくり上げるという。

 もう1つが業種縦割りの事業構造だ。富士通はUvanceの下、業種ではなく社会課題別にオファリング(製品・サービス)を整理、統廃合する。