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悩ましい無線LANルーター選び

 無線LANルーターは数多くの製品があり、自分にぴったりの製品を選ぶのが難しい。「規格」「最高速度」「接続台数の目安」「IPv6 IPoE対応」「付加機能」「有線LAN」の6つのポイントを重視すると選びやすくなる。

 最初に無線LANルーターの対応規格を確認しよう。今、無線LANルーターを買うなら、最新のWi-Fi 6規格に対応する製品がよい。Wi-Fi 6に対応するパソコンやスマホは増えており、現在売っているそれらのほとんどがWi-Fi 6に対応する。また、Wi-Fi 6対応無線LANルーターにはWi-Fi 5以前の古い規格の機器も接続できる。Wi-Fi 6対応のエントリークラスの製品は、Wi-Fi 5対応製品との価格差は小さく、2022年7月上旬時点で1万円台から購入できる。

 規格を確認したら、次に無線LANルーターの最高速度を確認する。無線LANルーターのパッケージには最高速度が大きく記載されているので、それを目安にすればよい。ここで注意したいのは、無線LANルーターのパッケージや仕様の記載されている速度は、あくまで規格上の最高速度だ。その速度がそのまま出るわけではない。また、最高速度は5GHz帯と2.4GHz帯で異なる。Wi-Fi 6が主に使うのは5GHz帯なので、5GHz帯の速度を見ればよい。5GHz帯の速度と2.4GHz帯の速度を加算し、その数値をパッケージに表記する製品もある。そのような数値には惑わされないように注意したい。

バッファロー「WSR-5400AX6S-MB」のパッケージ。規格や最高速度が一目で分かるように大きく掲載されている
バッファロー「WSR-5400AX6S-MB」のパッケージ。規格や最高速度が一目で分かるように大きく掲載されている
(出所:バッファロー)
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 現在、日本国内で売っているWi-Fi 6対応の無線LANルーターの場合、5GHz帯の最高速度は1.2Gbps(1201Mbps)、2.4Gbps(2402Mbps)、4.8Gbps(4803Mbps)のいずれかとなる。Wi-Fi 6に対応するパソコンのほとんどは最高速度が2.4Gbpsだ。パソコンの通信速度を生かすためには、2.4Gbps以上の無線LANルーターを選ぼう。一方、最高速度が1.2Gbps以下のスマホしか接続しないときは、安価で購入できる最高速度が1.2Gbpsの無線LANルーターを買う手もある。

 最新規格の無線LANは「MIMO(Multiple Input Multiple Output)」という仕組みを使い、複数の電波(ストリーム)を束ねて使うことで高速通信を実現している。Wi-Fi 6の場合、最大8個のストリームを束ねることができ、その数が多いほど高速通信ができる。また、端末の接続台数が多くなる環境ではストリーム数が多いほうが通信に余裕が出る。

 ストリーム数は製品のパッケージにも記載されているが、メーカーによって数え方が異なるので比較がしにくい。一般的にストリーム数が多いほうが最高速度は速くなるので、正確なストリーム数の確認が難しいときは最高速度だけで比較してしまってもよいだろう。