米Google(グーグル)が2022年10月に発売した「Pixel 7 Pro」。21年発売の前機種「Pixel 6 Pro」とほぼ同じ大きさで、デザインも似通っている(図1)。その内部はどのように変化したのか、分解して確かめてみた。
まずPixel 7 Proと同6 Proの外観を比較してみる。大きさはPixel 7 Proが162.9×76.6×8.9mm、同6 Proが163.9×75.9×8.9mmで、ほぼ同じ。背面カメラ周辺のデザインが少し変化した。Pixel 6 Proではきょう体の側面と背面の間に溝があり、カメラ部を囲むような枠があった。一方のPixel 7 Proでは、側面と背面の間に溝がなく、枠もなかった(図2)。
ここからは分解をしていく。Pixel 7 Proは、同6 Proと同じくディスプレーモジュール側の接着を温めながら剥がすことで内部にアクセスできた。これは従来のiPhoneシリーズと同様の構造である。
ディスプレーを開けてみると、主要部品の配置などに大きな変化は見られない(図3)。ただ、Pixel 7 Proでは背面カメラモジュールの周辺まで放熱用のグラファイトシートで、きれいに覆われているのに対し、同6 Proではグラファイトシートが小さめであり、背面カメラモジュールを覆う程度だった。
ミリ波アンテナはL字のまま、村田製作所製が続投
Pixel 7 Proと同6 Proのメイン基板は、基板と同じような形状の金属製フレームで押さえられていた(図4)。Pixel 6 Proから同7 Proでフレームの形状は変化しており、Pixel 6 Proではきょう体下部の外部接続端子基板側が横に飛び出したL字形のフレームだったが、同7 Proでは加えて、きょう体上部の背面カメラモジュール付近も横に飛び出したコの字形のフレームになっている。
Pixel 7 Proでは、ミリ波帯の5G(第5世代移動通信システム)通信用のアンテナモジュールとメイン基板をつなぐ細長いフレキシブル基板を、この金属製フレームで押さえていた。Pixel 6 Proでは、同様のフレキシブル基板はメイン基板の上ではなく、2次電池の上を通るように配置されていた。
ミリ波アンテナは、きょう体の上部の側面(縦に持ったときの天面)部分に取り付けられていて、細長いフレキシブル基板で接続されている(図5)。両製品ではフレキシブル基板の通る場所が異なるものの、ミリ波アンテナの配置場所は同じである。
Pixel 7 Proのミリ波アンテナは、2つのアンテナ部をフレキシブル基板で結んだL字形のモジュールになっている(図6)。表面には村田製作所製を示すと思われるマークが印字されており、21年に同社が発表したミリ波アンテナモジュールが採用されたとみられる。なお、Pixel 6 Proのミリ波アンテナも形状や印字が酷似しており、同様のモジュールだとみられる(図7)。