ノートパソコンを長く使うとバッテリー駆動時間が以前よりも短くなる。それはバッテリーが劣化して充電できる最大容量が減ったからだ。バッテリーは消耗品であり使えば使うほど劣化が進む。ただ、誤ったバッテリーの使い方をすると劣化スピードが速まってしまう(図1)。常にAC電源につないで100%を維持させたり、40度超の場所でパソコンを放置したりするのが悪い使い方の代表例。これらに思い当たる節があるなら対策を施そう。
バッテリーの劣化は2種類 保存劣化は自力で防げる
バッテリーの劣化には「サイクル劣化」と「保存劣化」の2種類があり、それぞれ条件が異なる(図2)。サイクル劣化はバッテリーの充放電を繰り返すうちに劣化が進むので防げない。保存劣化は利用者の管理方法が劣化スピードを左右するので、ある程度は防げる。
劣化のメカニズムを図3に示した。一般的に使われるリチウムイオンバッテリーは、正極から負極へのイオンの移動によって充電する仕組み。最初のうちはイオンの移動がスムーズだが、やがて化学反応によって生成された物質がイオンの移動を妨げるようになる。こうして移動できるイオンが減り、充電容量が減ることを劣化と呼ぶ。