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 鳥取大学、高エネルギー加速器研究機構(KEK)、東京大学物性研究所の共同研究グループは、2次元物質の構造解析手法を開発した。同手法に基づいたソフトウエア「2DMAT(ツーディーマット)」をWeb上で無償公開する。新材料開発や産業利用に向けた応用研究を支援するソフトウエアフレームワークだという。

<研究の概要>
キーワードデータ解析、ソフトウエア、量子ビーム、2次元物質、物質構造計測、データ駆動科学、全反射高速陽電子回折、TRHEPD、トレプト、並列モンテカルロ型ベイズ推定
関連研究者星健夫、岩本晴道、一ノ瀬颯人、本山裕一、吉見一慶、望月出海
関連研究機関鳥取大学、高エネルギー加速器研究機構、東京大学物性研究所
関連論文掲載先Computer Physics Communications
関連論文タイトルData-analysis software framework 2DMAT and its application to experimental measurements for two-dimensional material structures
関連論文URLhttps://arxiv.org/abs/2204.04484
詳細情報https://www.kek.jp/ja/press/202207291400/

 研究グループは、最新の量子ビーム回折法である全反射高速陽電子回折(TRHEPD、トレプト)法を組み合わせ、複雑なデータ構造に潜む「真の解」(正しい構造)を探索し短時間で決定できることを示した。2次元物質に対する計測技術はこれまで十分に確立されておらず、構造(詳細な原子配列)決定の難しさが課題だった。一方、量子ビームを用いた表面構造解析技術が近年発展し、2次元物質の詳細な構造決定が可能になりつつある。2DMATはこれら量子ビーム計測技術に対し、並列モンテカルロ型ベイズ推定などのデータ駆動科学を駆使した先進的なデータ解析手法を提供する。

 研究グループは、2DMATを活用することでさまざまな量子ビーム計測技術の潜在能力を発揮できるようになるとみている。構造解析が容易になれば、2次元物質研究が進み、次世代触媒・次世代電子デバイスの新素材開発や、産業利用に向けた応用研究が加速するという。

TRHEPD法の実験概要(出所:高エネルギー加速器研究機構)
TRHEPD法の実験概要(出所:高エネルギー加速器研究機構)
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