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 産業技術総合研究所(産総研)は、緊張によるストレスで皮膚から発生するガス物質を識別できるセンサーアレイを開発した。従来の分析法では大型装置が必要で、測定時間も長くリアルタイム計測が難しい。産総研は小型で持ち運びができ、住宅や車内などでも使えるデバイスに注目した。ストレスケアなどの健康管理に貢献できる技術だという。

<研究の概要>
キーワードセンサーアレイ、ストレスガス、アリルメルカプタン、センサー感応膜、酸化スズナノシート、主成分分析、機械学習
関連研究者崔弼圭、増田佳丈
関連研究機関産業技術総合研究所
関連論文掲載先Scientific Reports
関連論文タイトルNanosheet-Type Tin Oxide Gas Sensor Array for Mental Stress Monitoring
関連論文URLhttps://www.nature.com/articles/s41598-022-18117-8
詳細情報https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2022/pr20220825/pr20220825.html

 今回開発したのは、ストレス状態の人体から放散されるアリルメルカプタンを識別できるセンサーアレイ。産総研が過去に開発したナノシート状酸化スズ粒子(酸化スズナノシート)を基に、高い応答性とガス選択性を示すセンサー感応膜を開発した。加えて、ガス選択性の異なる4種類のセンサー感応膜を組み合わせた。機械学習の一種である主成分分析(PCA)技術を用いることで、他のガスとの識別が可能になった。リアルタイムでのモニタリングにも活用できる長時間の安定性も示した。

 産総研によれば、新型コロナウイルス禍によって社会環境が変化する中、ストレスガスの監視が健康状態の把握や疾病の予防に役立つと期待されている。しかし、ガスクロマトグラフィー質量分析(GC-MS)や濃縮装置を併用した従来の分析法は大型装置が必要となるなど、日常的なモニタリングに不向きだという。産総研は、今回の技術を基に小型で誰もがどこでも使えるセンサーデバイスを開発する方針だ。

ストレスガス測定によるストレスモニタリング(出所:産業技術総合研究所)
ストレスガス測定によるストレスモニタリング(出所:産業技術総合研究所)
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