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 東京工業大学と千葉大学の研究チームは、2次元物質の一種で磁性絶縁体であるクロム(Cr)ハライド系の物質にGHz帯からTHz帯の電磁波を印加することで、スピン流の整流効果が生じることを理論的に明らかにした。光と磁気の間の直接的な情報交換が可能になることから、光磁気技術における新規機能性デバイスの実現につながる成果だという。

<研究の概要>
キーワード光誘起スピン流、整流効果、空間反転対称性、磁性絶縁体、Crハライド、光スピントロニクス
関連研究者石塚大晃、佐藤正寛
関連研究機関東京工業大学、千葉大学
関連論文掲載先Physical Review Letters
関連論文タイトルLarge Photogalvanic Spin Current by Magnetic Resonance in Bilayer Cr Trihalides
関連論文URLhttps://journals.aps.org/prl/abstract/10.1103/PhysRevLett.129.107201
詳細情報https://www.titech.ac.jp/news/2022/064754

 研究チームは、原子が平面状に2次元に並んだ物質である2層Crハライド系物質に着目し、理論模型にさまざまな周波数の電磁波を印加した際の光誘起スピン流の発生の有無や条件を理論的に解析した。その結果、GHz帯からTHz帯の電磁波を印加することで、磁気モーメントを持つ粒子であるマグノンが特定の方向に流れ、直流スピン流の整流効果が生じることを発見した。この整流効果によって生じるスピン流の強度は、これまでの研究より約2桁大きくなることも示した。

 研究チームは2019年にバルクの磁性絶縁体におけるスピン流の整流効果を提案していたが、これまで候補物質は分かっていなかった。Crハライド系物質のような空間反転対称性の破れた物質は、pn接合を作らなくても光起電効果を示すことが知られている。

左はスピンポンプによる拡散的スピン流、右は整流効果によるスピン流(出所:東京工業大学)
左はスピンポンプによる拡散的スピン流、右は整流効果によるスピン流(出所:東京工業大学)
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