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 鳥取大学、奈良先端科学技術大学院大学、北海道大学大学院の研究グループは、ペプチド融合タンパク質を用いて、微小管から成る超構造体を構築した。天然に見られる多様な超構造体を人工的に構築することはこれまで困難だった。分子ロボットなどのナノ材料としての応用につながるという。

<研究の概要>
キーワード微小管、超構造体、ペプチド、タンパク質ナノチューブ、四量体蛍光タンパク質、Azami-Green、分子ロボット、ナノ材料、抗がん剤
関連研究者稲葉央、松浦和則、市川宗厳、塚崎智也、角五彰、佐田和己
関連研究機関鳥取大学、奈良先端科学技術大学院大学、北海道大学大学院
関連論文掲載先Science Advances
関連論文タイトルGeneration of stable microtubule superstructures by binding of peptide-fused tetrameric proteins to inside and outside
関連論文URLhttps://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.abq3817
詳細情報https://www.tottori-u.ac.jp/item/19931.htm

 研究グループは今回、ペプチド融合タンパク質を独自に開発した。これを用いることで、細胞骨格の一種であるタンパク質ナノチューブ「微小管」から成る多様な超構造体を人工的に構築することに「世界で初めて成功した」(研究グループ)。本研究では、研究グループが以前開発した微小管内部に結合するTau(微小管関連タンパク質)由来ペプチド(TP)と四量体蛍光タンパク質Azami-Green(AG)を融合した。研究グループによれば、自然界では、一巻きのシングレット微小管の外側にもう一層連結したダブレット微小管や、2本のシングレット微小管に分かれる分岐構造、微小管形成中心から微小管が伸びるアスター(放射状集合)構造などが存在し、それぞれの役割を果たしている。本研究ではこれらの多様な超構造体の形成に成功した。

 本研究の成果は、これまで未解明であった天然微小管超構造体の形成メカニズムや物性の解明にも大きく役立つと研究グループはみている。将来的には繊毛病などの微小管超構造体が関与する病態の理解につながる可能性もあるという。応用先としては、ナノ材料や抗がん剤への展開が考えられるとしている。

本研究の概念(出所:鳥取大学)
本研究の概念(出所:鳥取大学)
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