半導体製造関連の国際イベント「SEMICON West 2022」が米国サンフランシスコで2022年7月12日(現地時間)に開幕した(14日まで)。初日の12日午前には複数の基調講演が行われた。基調講演の1つに、半導体ユーザーの代表として、ドイツVolkswagen(VW、フォルクスワーゲン)のBerthold Hellenthal氏(Strategic Semiconductors Management)が登壇した(図1)。クルマの未来は半導体にかかっているとし、VWの半導体への入れ込みをアピールすると共に、安定供給を呼びかけた。
Hellenthal氏によれば、クルマに搭載される半導体は劇的に増加している。その例をVWのブランドの1つPORSCHEのクルマで示した(図2)。1978年発売の「PORSCHE 911」ではECU(Electronic Control Unit)は1つ、搭載する半導体は8個だった。2021年発売の「PORSCHE TAYCAN」ではECUが90になり、搭載する半導体は8000個になった。1台のクルマが搭載する半導体が1000倍に増えた。
今後もクルマに搭載される半導体は増え続けるという。例えば、ADAS(先進運転支援システム)/自動運転、デジタル化がそれをけん引するとした(図3)。Hellenthal氏のアピールは続く。2021年にVWが発表した新戦略「NEW AUTO」を引き合いに出し、複数の要素からなるNEW AUTOでは、どの要素でも半導体が担う役割は大きいとのことだった(図4)。