技術だけでは勝てない時代である。だからこそ、技術と経営戦略を高度に融合させる技術トップの役割が重要になっている。各社の技術トップは何を考え、どう動こうとしているのか。専門記者が聞き出す。

技術トップに聞く
目次
-
IHIがリスキリングで博士人材育成、重点分野の化学・生物に配置
IHI常務執行役員技術開発本部長グループ技術全般担当 久保田伸彦氏(第3回終)
IHIは、研究開発の促進に向けて、人事制度などの改善を押し進める。社員の挑戦に対する評価や、リスキリングによる博士人材の育成などを通して、将来の競争力を育む。常務執行役員技術開発本部長グループ技術全般担当の久保田伸彦氏に、研究開発を活発化するための工夫について聞いた。
-
IHIが航空エンジンを脱炭素化、デジタル活用で開発速度3~4倍へ
IHI常務執行役員技術開発本部長グループ技術全般担当 久保田伸彦氏(第2回)
IHIは、航空エンジンの軽量化や電動化によって、航空機が排出する二酸化炭素(CO2)の削減を進めている。独自のシミュレーション技術を活用して航空エンジンの開発速度を3~4倍に速めることを目指す。常務執行役員技術開発本部長グループ技術全般担当の久保田伸彦氏に、航空エンジンの開発方針を聞いた。
-
IHIがアンモニア発電の普及を加速、検証にデジタルツイン
IHI常務執行役員技術開発本部長グループ技術全般担当 久保田伸彦氏(第1回)
IHIが、次世代燃料の需要を追い風に事業を拡大している。高効率な発電設備などで培った燃焼技術を生かし、アンモニア燃料向けの発電インフラの実証を各国で進める。燃やしても二酸化炭素を排出しないアンモニアは、石油や天然ガスに代わる火力発電の燃料として市場の成長が見込める。常務執行役員技術開発本部長グルー…
-
ダイキン工業は「空気を売る会社」に、センシングやシミュレーションに磨き
ダイキン工業常務執行役員空調商品開発担当テクノロジー・イノベーションセンター長 米田裕二氏(第3回終)
ダイキン工業は、空気や空間に新たな機能や価値を付与する「空気の価値化」に取り組んでいる。空気質を調節して快適さや機能性を保証することで、空調機器の売り切りとは異なる新しいビジネスモデルの構築を目指す。同社常務執行役員空調商品開発担当テクノロジー・イノベーションセンター長の米田裕二氏に、空気の価値化…
-
ダイキン工業が省エネ空調向けに独自マイコン開発、25年にも搭載
ダイキン工業常務執行役員空調商品開発担当テクノロジー・イノベーションセンター長 米田裕二氏(第2回)
ダイキン工業は、半導体やAI(人工知能)技術を活用して空調機器の省エネルギー性能を高める。独自開発の半導体を搭載した空調機器を、2025年にも発売する。同社常務執行役員空調商品開発担当テクノロジー・イノベーションセンター長の米田裕二氏に、ダイキンの商品競争力を支える技術戦略を聞いた。
-
ダイキン工業がヒートポンプ開発加速、AIで電力効率向上も
ダイキン工業常務執行役員空調商品開発担当テクノロジー・イノベーションセンター長 米田裕二氏(第1回)
ダイキン工業が、カーボンニュートラル(温暖化ガス排出実質ゼロ)に向けた研究開発を加速させる。需要が高まるヒートポンプの開発を推進するほか、AIや半導体を駆使した電力効率向上にも取り組む。常務執行役員空調商品開発担当テクノロジー・イノベーションセンター長の米田裕二氏に研究開発戦略を聞いた。
-
レゾナックHDが研究強化へ人事変革、組織内競争で改善促す
レゾナック・ホールディングス執行役員CTO 兼 レゾナックCTO 福島正人氏(第3回終)
化学大手のレゾナック・ホールディングス(レゾナックHD)は市場の変化に対応できる人材を育成するため、人事制度を変革する。社員が希望部署に異動申請できる「社内公募制度」を促進し、社員のやる気や組織の改善につなげる。同社最高技術責任者(CTO)の福島正人氏に、変革の狙いについて聞いた。
-
レゾナックHDが新事業創造に海外技術、社員がスタートアップ発掘
レゾナック・ホールディングス執行役員CTO 兼 レゾナックCTO 福島正人氏(第2回)
化学大手のレゾナック・ホールディングス(レゾナックHD)は、長期的な成長につながる技術開発に注力する。海外の最先端技術をいち早く把握するための専門人材を配置するなど、組織としての感度を高めて事業を加速させる。同社最高技術責任者(CTO)の福島正人氏に、研究開発の取り組みを聞いた。
-
レゾナックHD、デジタル人材900人で研究開発加速
レゾナック・ホールディングス執行役員CTO 兼 レゾナックCTO 福島正人氏(第1回)
化学大手の昭和電工と昭和電工マテリアルズ(旧日立化成)が統合し、2023年1月1日にレゾナック・ホールディングス(レゾナックHD)として新たなスタートを切った。成長領域である半導体や電気自動車(EV)向け材料の開発で企業間連携を促進するほか、デジタル人材の育成を急ぎ、競争力強化の布石を打つ。最高技…
-
三菱ケミカルG、真のグローバル化へ「海外人材増やす」
三菱ケミカルグループ 執行役シニアバイスプレジデントCTO ラリー・マイクスナー氏(後編)
三菱ケミカルグループ(三菱ケミカルG)は、量子技術やAI(人工知能)など将来技術への積極投資を続ける。厳しい競争環境のなか、研究者の創造性を発揮するための組織づくりも進める。同社CTO(最高技術責任者)のLarry Meixner(ラリー・マイクスナー)氏に、研究開発戦略を聞いた。
-
三菱ケミカルG、ベンチャー投資は「小さく張って大きく学ぶ」
三菱ケミカルグループ 執行役シニアバイスプレジデントCTO ラリー・マイクスナー氏(前編)
化学業界国内最大手の三菱ケミカルグループは、持ち前の研究開発力を生かして自動車や半導体など成長分野で存在感を高めている。最高技術責任者(CTO)のLarry Meixner(ラリー・マイクスナー)氏に、組織で変革を起こすための考え方を聞いた。
-
ピクサーCTO「USDはあらゆる分野に広がる」「画像生成AIを試用中」
高品質な3次元コンピューターグラフィックス(3D CG)によるアニメーションで知られる米Pixar Animation Studios(ピクサー・アニメーション・スタジオ)。同社バイスプレジデントでCTO(最高技術責任者)のSteve May(スティーブ・メイ)氏が日経クロステックのインタビューに…
-
ブリヂストンが技術人材にジョブ型推進、報酬に柔軟性
ブリヂストン 執行役専務、技術・品質経営分掌、Global CTO 坂野真人氏(後編)
ブリヂストンは、現在導入を進めているジョブ型人事制度について、技術人材への適用を加速させる。人工知能(AI)技術者やデータサイエンティストの採用・定着に有効と見て、報酬や処遇を検討する。同社執行役専務でGlobal CTO(グローバル最高技術責任者)の坂野真人氏が日経クロステックの取材に対して語っ…
-
ブリヂストンが摩耗予測サービスに軸足、航空機で手応え
ブリヂストン 執行役専務、技術・品質経営分掌、Global CTO 坂野真人氏(前編)
ブリヂストンは、ソリューション事業拡大に向けてタイヤの摩耗予測技術の開発に力を注ぐ。2030年度に同事業の売上高を現在の約2倍である2兆円に引き上げるべく、人工知能(AI)活用やデータサイエンティスト育成を加速させる。同社執行役専務でGlobal CTO(グローバル最高技術責任者)の坂野真人氏が日…
-
パナソニックHD・小川CTO「中堅技術人材の育成急務」
パナソニック ホールディングス 執行役員、グループ最高技術責任者(グループCTO)、 薬事担当、コーポレートイノベーション・ベンチャー戦略担当 小川立夫氏(第2回/全2回)
「サステナビリティー(持続可能性)」「ウェルビーイング(心身の健康と幸福)」を軸に技術開発を進める方針を示したパナソニック ホールディングス(パナソニックHD)。壮大なテーマをどう具体的な事業や技術に落とし込むのか、グループ最高技術責任者(グループCTO)として技術戦略を統括する小川立夫氏に聞いた…
-
パナソニックHD・小川CTO「10年単位の技術開発強化」
パナソニック ホールディングス 執行役員、グループ最高技術責任者(グループCTO)、 薬事担当、コーポレートイノベーション・ベンチャー戦略担当 小川立夫氏(第1回/全2回)
パナソニック ホールディングス(パナソニックHD)が技術開発体制の強化を進めている。インフラやエネルギーなど長期戦に耐えられる体制を構築するとともに、ソフトウエアなど短期戦の分野は社外の力を積極的に活用する。グループ最高技術責任者(グループCTO)として技術戦略を統括する小川立夫氏に方針を聞いた。
-
AGC・倉田CTO「自ら課題設定できる博士人材採りたい」
AGC 代表取締役兼専務執行役員 最高技術責任者(CTO)、技術本部長、事業開拓部長 倉田英之氏(第2回/全2回)
既存事業強化と新規事業創出を並行して進める「両利きの経営」を実践するAGC。新規事業創出の重要性が高まるにつれ、技術人材に期待される役割も変わりつつある。技術人材の育成や確保について、同社最高技術責任者(CTO)の倉田英之氏に聞いた。
-
AGC・倉田CTO「新規事業はCTO直下の組織で推進」
AGC 代表取締役兼専務執行役員 最高技術責任者(CTO)、技術本部長、事業開拓部長 倉田英之氏(第1回/全2回)
既存事業の収益改善と新規事業の拡大を並行して進める「両利きの経営」を推進するAGC。時に相反するこれらの取り組みをどう両立させているのか。同社最高技術責任者(CTO)の倉田英之氏に聞いた。
-
日東電工・三木CTO「時間かかる技術は外から買う」
日東電工 取締役 専務執行役員 最高技術責任者(CTO) 三木陽介氏(第2回/全2回)
ヘルスケアやセンシングなど事業領域の拡大を進める日東電工。自社開発にこだわらず、技術の社外調達も推進する。必要な技術の見極めや、現場からの提案を促す仕組みについて、同社の最高技術責任者(CTO)である取締役専務執行役員の三木陽介氏に聞いた。
-
日東電工・三木CTO「ESG以外の技術はもう一切やらない」
日東電工 取締役 専務執行役員 最高技術責任者(CTO) 三木陽介氏(第1回/全2回)
粘着技術などのコア技術を軸に事業領域拡大を図る日東電工。限られたリソースを有望な技術に集中させようとしている。その技術戦略について、同社の最高技術責任者(CTO)である取締役専務執行役員の三木陽介氏に聞いた。