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ブリヂストンの坂野氏は摩耗予測技術の進化を重点ポイントに挙げる(写真:加藤 康)
ブリヂストンの坂野氏は摩耗予測技術の進化を重点ポイントに挙げる(写真:加藤 康)

 ブリヂストンは、ソリューション事業拡大に向けてタイヤの摩耗予測技術の開発に力を注ぐ。2030年度に同事業の売上高を現在の約2倍である2兆円に引き上げるべく、人工知能(AI)活用やデータサイエンティスト育成を加速させる。同社執行役専務でGlobal CTO(グローバル最高技術責任者)の坂野真人氏が日経クロステックの取材に対して語った。

坂野氏発言の概要(出所:日経クロステック)
坂野氏発言の概要(出所:日経クロステック)
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 ソリューション事業の売上高は、2021年度実績が約9000億円だった。2022年度は約1兆1000億円を見込んでおり、2030年度には2兆円まで増やす計画を打ち出している。

 中でも成長余地が大きいのは、同社が「タイヤセントリックソリューション」と呼ぶサービスである。実際のタイヤの使用状況に関するデータをIoT(Internet of Things)で集め、データ分析結果に基づいて摩耗を予測。適切な交換時期を助言することで、顧客の事業効率向上に貢献するというものだ。同サービスの売上高は、2022年度が2000億円強の見込みであるのに対し、2030年度は6500億円まで増やそうとしている。

 現在、日本航空と共同で航空機用タイヤの摩耗予測による整備作業効率化プロジェクトを進めている。「必要な機体情報や運行情報を提供してもらったことで予測精度を高める素地は整った。今後は我々が(タイヤの原料である)ゴムのメカニズムを一段と深いレベルで極めていかなければならない」(坂野氏)。今後はこのような取り組みを幅広い業界に展開する。

ブリヂストンと日本航空が推進している整備作業効率化プロジェクトの概要(出所:ブリヂストン)
ブリヂストンと日本航空が推進している整備作業効率化プロジェクトの概要(出所:ブリヂストン)
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 これまで、ブリヂストンは主に一般的な使用条件での摩耗や寿命を予測する技術を確立してきた。だが、タイヤセントリックソリューションとして個々のタイヤの摩耗を予測するには、ゴムの化学的な性質や物理的な挙動をもっと把握する必要があるという。「ゴムのメカニズムはまだ解明されていないことが多い」(坂野氏)。