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福島氏は海外で働く社員からの情報も技術開発に役立てる(写真:加藤 康)
福島氏は海外で働く社員からの情報も技術開発に役立てる(写真:加藤 康)
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 化学大手のレゾナック・ホールディングス(レゾナックHD)は、長期的な成長につながる技術開発に注力する。海外の最先端技術をいち早く把握するための専門人材を配置するなど、組織としての感度を高めて事業を加速させる。同社最高技術責任者(CTO)の福島正人氏に、研究開発の取り組みを聞いた。(聞き手は佐藤雅哉=日経クロステック)

研究開発で社員に求めることは何ですか。

 レゾナックHDを100年以上続くような世界で戦える強い会社にする、それを支える技術開発を実現したい。まずは旧昭和電工と旧昭和電工マテリアルズ(かつての日立化成)を垂直統合した効果だけでも多くの財産が生まれてくるだろう。さらに長期的には新設した「共創の舞台」(横浜市)のような国内の研究開発拠点が中心となって活躍する。パートナー企業との共創もある。もちろん我々はグローバルの社会課題に対応していかなければならないので、各市場のニーズをよく調査して、やがてグローバルに展開していくこともあるだろう。

 代表取締役社長最高経営責任者(CEO)の高橋(秀仁氏)も、海外グループ会社の社員に対して「会社の目や耳となって、そこで何が起きて、何をフィードバックしなければいけないのか考えて、研究開発に一緒に関わってほしい」とメッセージを送っている。事業部によっては海外拠点で顧客と毎日のように意見を出し合って、研究開発をしているところもあるので、新しい気づきをフィードバックしてほしい。