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米田氏はカーボンニュートラルの達成に向けた研究開発テーマとして電力効率向上やヒートポンプ開発を挙げた(写真:行友重治)
米田氏はカーボンニュートラルの達成に向けた研究開発テーマとして電力効率向上やヒートポンプ開発を挙げた(写真:行友重治)
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 ダイキン工業が、カーボンニュートラル(温暖化ガス排出実質ゼロ)に向けた研究開発を加速させる。需要が高まるヒートポンプの開発を推進するほか、AIや半導体を駆使した電力効率向上にも取り組む。常務執行役員空調商品開発担当テクノロジー・イノベーションセンター長の米田裕二氏に研究開発戦略を聞いた。(聞き手は佐藤雅哉=日経クロステック)

研究開発の体制を教えてください。

 当社では、テクノロジー・イノベーションセンター(TIC)を中心に技術開発や商品開発を進めている。研究開発投資の多くは、ヒートポンプや半導体など成長分野へ重点的に投資している。売上高に占める研究開発費の比率は2022年3月期で2.6%ほどだ。前の期と比べて研究開発費を約100億円増やしたが、売上高の増加率が研究開発費の増加率を上回っており、売上高研究開発費比率としては下がっている。

 当社のコア技術は、モーターやインバーター、圧縮機などで、空調機器やヒートポンプの競争力につながっている。TICは5年ほど先を見据えた技術開発の比重が大きく、TICでこれらコア技術の先行開発を進め、海外へ移管するという流れになっている。

ダイキン工業の研究開発拠点のテクノロジー・イノベーションセンター(TIC)(写真:ダイキン工業)
ダイキン工業の研究開発拠点のテクノロジー・イノベーションセンター(TIC)(写真:ダイキン工業)
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