ダイキン工業は、半導体やAI(人工知能)技術を活用して空調機器の省エネルギー性能を高める。独自開発の半導体を搭載した空調機器を、2025年にも発売する。同社常務執行役員空調商品開発担当テクノロジー・イノベーションセンター長の米田裕二氏に、ダイキンの商品競争力を支える技術戦略を聞いた。(聞き手は佐藤雅哉=日経クロステック)
省エネ性能をどう高めていきますか。
モーター制御にインバーターを使えば、空調機器で大きな省エネ効果が見込める。これまでインバーターにはコスト増加やノイズ発生といった課題があったが、半導体やソフトウエア、AIなどの技術進化で性能が改善し、大きなチャンスが生まれつつある。
インバーター回路には通常、大きな電解コンデンサーや鉄の塊のようなリアクター部品を搭載している。回路設計は周波数や波形に大きく依存するので、高周波化や最適な波形制御によって、回路基板の性能向上や小型化・コスト削減が可能になる。