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久保田氏は、航空機のカーボンニュートラル実現にIHIの技術が大きく貢献すると語る(写真:加藤 康)
久保田氏は、航空機のカーボンニュートラル実現にIHIの技術が大きく貢献すると語る(写真:加藤 康)
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 IHIは、航空エンジンの軽量化や電動化によって、航空機が排出する二酸化炭素(CO2)の削減を進めている。独自のシミュレーション技術を活用して航空エンジンの開発速度を3~4倍に速めることを目指す。常務執行役員技術開発本部長グループ技術全般担当の久保田伸彦氏に、航空エンジンの開発方針を聞いた。(聞き手は佐藤雅哉=日経クロステック)

IHIは航空エンジンに強みがあります。

 航空エンジンの環境性能を高めることも当社の注力対象だ。航空業界ではカーボンニュートラルに向けた機運が高まっており、航空会社の業界団体である国際航空運送協会(IATA)は、CO2排出量を2050年に実質ゼロにする目標を掲げている。当社は航空機の燃費改善に向けて、軽量化や電動化に取り組んでいる。

 軽量化では、エンジン部品の材料を金属から炭素繊維強化樹脂(CFRP)やセラミックス複合材料などへ徐々に置き換える。エンジン部品の材料には耐熱性が求められるので、いかに材料をうまく使いこなしながらCFRPやセラミックス複合材料の比率を増やしていけるかが鍵になる。もちろん、エンジンの効率化も燃費改善には重要だ。

航空エンジン部品にCFRPやセラミックス複合材料を適用し、軽量化を図る(出所:IHI)
航空エンジン部品にCFRPやセラミックス複合材料を適用し、軽量化を図る(出所:IHI)
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 航空機の電動化が実現するのは少し先だが、燃費改善に役立つ。電動化は、機体の油圧・空気圧系統を電動機器で置き換えることで、航空機システムの軽量化や効率化を図るものだ。電動化が進めば消費電力が増大するので、電力を供給する仕組みが必要になる。