電動垂直離着陸(eVTOL)機、いわゆる「空飛ぶクルマ」の社会実装が近づいている。スタートの号砲が鳴らされるのは、2025年4月に開幕する大阪・関西万博だ。そこでは、単なるデモ飛行ではなく、空港など会場外ポートとの2地点間飛行を含む商用運航の実現が目標とされている。もちろん、そのハードルは高い。航空機並みに安全な機体の開発だけでなく、離着陸場や各種の制度整備、社会受容性の確保など難題が山積みだ。空飛ぶクルマの社会実装に向けた最新の取り組みや、技術開発、環境整備などを追った。

空飛ぶクルマ、社会実装へカウントダウン
目次
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25年の大阪万博で空飛ぶクルマ4機種が舞う、ANAやJALが運用
「2025年日本国際博覧会」(大阪・関西万博)において、日本初の「空飛ぶクルマ」の商用運航実現を目指す事業者の顔ぶれが明らかになった。大阪・関西万博を主催する2025年日本国際博覧会協会は2023年2月21日、万博における空飛ぶクルマの運航事業への参加企業と会場内の離着陸ポート(Vポート)運営の協…
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トヨタ出資の空飛ぶクルマが日本で飛行へ、国土交通省に型式証明申請
トヨタ自動車が約4億ドル(約596億円)を出資する米国の空飛ぶクルマ(eVTOL機)開発企業Joby Aviation(ジョビー・アビエーション)は2022年10月18日、国土交通省に開発中の機体について日本の航空法に基づく型式証明を申請し、受理されたと発表した。海外製空飛ぶクルマの型式証明申請の…
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都内で空飛ぶクルマ活用探る三菱地所、「既設ビル屋上活用がカギに」
2025年に開催される大阪・関西万博での空飛ぶクルマ(eVTOL機)の商用運航開始を目指し、大阪府や大阪市が社会実装に向けた取り組みを活発に進める一方で、東京都内での社会実装に向けた取り組みも始まっている。三菱地所、日本航空、兼松の3社は、東京都の「都内における空飛ぶクルマを活用したサービスの社会…
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元MRJ技術トップが語る、空飛ぶクルマSkyDrive設計の勘所
空飛ぶクルマ、つまり電動垂直離着陸(eVTOL)機を開発するスタートアップのSkyDrive(愛知県豊田市)は2022年9月26日、設計・開発を進めている商用機「SkyDrive式SD-05型」のデザインや仕様を公開した。
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SkyDriveが商用機体の仕様公開、航続10kmで小回り勝負
空飛ぶクルマ、つまり電動垂直離着陸(eVTOL)機を開発するスタートアップのSkyDrive(愛知県豊田市)は2022年9月26日、設計・開発を進めている商用機「SkyDrive式SD-05型(以下、SD-05)」のデザインや仕様を記者発表会で公開した。
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空飛ぶクルマの大渋滞、量子アニーリングマシンで統制
空飛ぶクルマ、つまりeVTOL(垂直離着陸)機を使った商用運航サービスは、初期段階では通常の航空機と同様、パイロットによる操縦が行われる。しかし、将来の本命はパイロットが搭乗しないコンピューター制御による、自律・高密度運航である。これが実現しないと、「100兆円超」ともいわれる夢の巨大市場は、絵に…
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川重が無人ヘリに「Ninja H2R」のモンスターエンジン、山小屋に200kg
今や日本は多くの業界で深刻な人手不足に陥っているが、夏の行楽シーズンでにぎわう山もその1つである。現在は麓から有人ヘリコプターで山頂付近の小屋に食料や救命用具などを輸送しているが、パイロットが高齢化しているとともに、法律上、運航時には2人搭乗する必要があるため、人手不足が顕著になっている。気象条件…
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空飛ぶクルマ離着陸場に既設ビルは不適、都市部の用地不足が顕在化
2022年4月下旬、英国中部の都市Coventry(コベントリー)の中心部に世界初となる空飛ぶクルマ、つまりeVTOL(電動垂直離着陸)機用の離着陸場(バーティーポート、以下Vポート)がオープンした。
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空飛ぶクルマはハイブリッドが現実解、ホンダもガスタービンに注力
「現在の電池性能では、顧客に提供できる価値が限定的なものになる。当社の市場調査結果では、顧客ニーズは都市間移動に必要な航続距離400kmまで幅広く存在する。この幅広いニーズに対応するには、小型・軽量・高信頼性という特徴を持つガスタービンハイブリッドエンジンが最適と考えている」
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空飛ぶクルマにこそ全固体電池、実用化のカギ握る「バイポーラセル」
「全固体電池の特性は、EV(電気自動車)よりも空飛ぶクルマ(eVTOL:垂直離着陸)機でより生かせる」。マクセルで全固体電池の開発に携わる、新事業統括本部電池イノベーション部部長の山田将之氏はこう話す。
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業界騒然のデンソーの空飛ぶクルマ用モーター、「4kg・100kW」にざわつく
「今回の採用は、当社にとって非常に重要な一歩だ」。2022年5月に、航空機装備品の米大手Honeywell International(ハネウェル)と共同開発を進めている電動航空機向けモーターが、「空飛ぶクルマ」いわゆる電動垂直離着陸(eVTOL)機に採用されることが決まったデンソーは、その意義を…
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空飛ぶクルマ専用道の案も登場、制度設計の欧米最新動向
第2回(計2回)
日本より一足先の2024年ごろの商用化を目指して、空飛ぶクルマ、いわゆる垂直離着陸(eVTOL)機の社会実装に向けた取り組みを進めている米国と欧州。空飛ぶクルマの海外動向などに詳しい、三菱総合研究所の大木孝氏の寄稿2回目では、基準作りや制度整備などの最新事情を解説してもらう。(日経クロステック)
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日本の先行く、欧米「空飛ぶクルマ」社会実装最前線
第1回(計2回)
「空飛ぶクルマ」の社会実装に向けた動きが激しくなってきた。国内では2025年4月開幕の大阪・関西万博がスタートのターゲットだ。一方、欧米では2024年ごろの商用化を目指した取り組みが進められている。日本の先を行く海外での機体開発やインフラ、制度整備、ビジネス設計などの最新動向に関する情報は、空飛ぶ…
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空飛ぶクルマ、SkyDriveなどが大阪ベイエリアの航路実現性調査を開始
「2025年日本国際博覧会」(大阪・関西万博)での空飛ぶクルマ、つまり電動垂直離着陸機(eVTOL)の商用運航の実現に向け、飛行航路や離着陸場(バーティポート)設置の可能性調査が始まる。
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空飛ぶクルマはタクシーと同額に、安く作りアジアで拡販をスズキに期待
福澤 知浩氏 SkyDrive 代表取締役CEO
元トヨタ自動車の社員が立ち上げたeVTOL(電動垂直離着陸)機、いわゆる「空飛ぶクルマ」を開発するベンチャーのSkyDrive(愛知県豊田市)。安全性を認証する型式証明の日本での取得と、2025年に開催される大阪・関西万博での事業開始を目指す。2022年3月には、スズキとの事業・技術連携協定を締結…
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小型軽量を武器にビル屋上を拠点化、国産の空飛ぶクルマは10km圏内で勝負
福澤 知浩氏 SkyDrive 代表取締役CEO
元トヨタ自動車の社員が立ち上げたeVTOL(電動垂直離着陸)機、いわゆる「空飛ぶクルマ」を開発するベンチャーのSkyDrive。安全性を認証する型式証明を日本で取得し、2025年に開催される大阪・関西万博での事業開始を目指す。
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自動車各社が空飛ぶクルマを目指すわけ、50年に100兆円超市場に
将来、100兆円を超える巨大市場を形成するとの予測もある「空飛ぶクルマ」、つまり電動垂直離着陸(eVTOL)機の社会実装が近づいている。