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 元トヨタ自動車の社員が立ち上げたeVTOL(電動垂直離着陸機)、いわゆる「空飛ぶクルマ」を開発するベンチャーのSkyDrive(愛知県豊田市)。安全性を認証する型式証明の日本での取得と、2025年に開催される大阪・関西万博での事業開始を目指す。機体開発では資金力に勝る欧米勢が先行するなか、日本の機体メーカーとして何を強みとして打ち出していくのか。CEO(最高経営責任者)の福澤知浩氏へのインタビューを2回に分けて紹介する。(聞き手=内田 泰)

2018年にSkyDriveを創業してから約4年。空飛ぶクルマへの周囲の期待感など、当初と比べて何か変化を感じていますか。

 創業は4年前ですが、活動自体はその前からやっており、それを含めると約5年になります。当時と比較すると空飛ぶクルマの社会実装が現実になるという雰囲気がどんどん高まっていると思います。実際、海外を含めこの事業に参画する企業が増えています。

2020年秋に日経エレクトロニクスでインタビューさせていただいた際、2025年の大阪・関西万博では会場周辺の遊覧飛行サービスなどを計画されているとおっしゃっていました。現時点での計画はいかがでしょうか。

 これからどの飛行経路を飛ぶか、どんなビジネスをやっていくのかなどを運航事業者が中心になって検討していくフェーズに入ります。ただし、現時点では万博でどの運航事業者が担当するかは決まっておらず、今後、運航事業者の選定とセットで進められることになっています。当社も万博の際には3カ所ぐらいの離着陸場を使う遊覧飛行サービスを提供したいと考えています。

 具体的な計画はまだお話しできませんが、遊覧飛行以外に「エアタクシー」のような2地点間を結ぶサービスも検討しています。2025年にスタートできたらベストと考えています。

御社は万博での空飛ぶクルマの運航事業者に対して、例えば機体を販売するなどの形で提供することになるのでしょうか。

 いくつかのパターンがあるとは思いますが、万博の際にどうなるかは未定です。

福澤 知浩(ふくざわ・ともひろ)
福澤 知浩(ふくざわ・ともひろ)
東京大学工学部を卒業後、2010年にトヨタ自動車に入社し、グローバル調達に従事。同時に多くの現場でのトヨタ生産方式を用いた改善活動により原価改善賞を受賞。2018年にSkyDriveを設立し、「空飛ぶクルマ」と「カーゴドローン」の開発を推進。経済産業省と国土交通省が実施する「空の移動革命に向けた官民協議会」の構成員として、空飛ぶクルマの実用化に向けて政府と新ルール作りにも取り組む。Forbes JAPAN「日本の起業家ランキング2021」のTOP20に選出、MIT Technology Reviewの「Innovators Under 35 Japan 2020」を受賞(写真:SkyDrive)
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