人の信用性を評価する際に特定の人や集団を不利益に扱うような倫理に反するAI(人工知能)を開発して提供すれば、ルールに従って罰を受ける。そんな事態がいよいよ現実のものとなりそうだ。世界に先駆け欧州で、AIの提供者に義務を課す「欧州AI規則案」が2024年に全面施行される可能性がある。これに先行して、ITベンダーを中心にAI倫理に取り組む企業が登場している。AI倫理への取り組み事例と欧州AI規則案の動向を解説する。

特集
「AI倫理・法規制」、企業の対応策
目次
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巨額制裁金の「欧州AI規則案」が2024年にも全面施行、日本企業はどう対応すべきか
2021年4月に欧州委員会が公表した「欧州連合(EU)AI(人工知能)規則案」。AI全般の活用を対象とした世界初の法律になる見通しで、施行に向けて着々と進んでいるという。2024年にも全面施行になる可能性がある。日本企業はどう対応すればよいのか。
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罰金リスクはらむ「AI倫理」、米IBM・NTTデータが講じた施策とは
「欧州のAI規則案についてヒアリングを重ねているが、施行に向けて着々と準備が進んでいる。2024年には全面施行になる可能性がある」。渥美坂井法律事務所・外国法共同事業の三部裕幸弁護士は、欧州委員会が整備を進めるAI規則案の状況をこう語る。