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 東レはポリアミド(PA)の再生技術を世界最大の樹脂・ゴムの展示会「K 2022」(ドイツ・デュッセルドルフ、2022年10月19~26日)で披露した(図1)。ガラス繊維などの強化材が入っていない使用済みの漁網や食品の包装材を回収し、破砕してペレットにした後、ケミカルリサイクル(油化)によってカプロラクタム(ラクタム)を生成。これを重合してPAに再生する。物性はバージン材と変わらない。

 既に欧米市場では販売中で、2022年内に日本でも実用化した後、インドネシアなどへの展開も視野に入れている。価格はバージン材と比べて1.5倍以下を目指す。

図1 ケミカルリサイクルを使ったPAの再生技術
図1 ケミカルリサイクルを使ったPAの再生技術
使用済みの漁網などから再生する。ポリブチレンテレフタレート(PBT)のケミカルリサイクル技術も東レは確立している。(写真:日経クロステック)
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 100%バイオベースのアジピン酸の生成を研究中であることも同社は発表した(図2)。アジピン酸はPA66の原料で、同じく原料であるヘキサメチレンジアミン(HMD)と重合反応させてPA66を造る。このうち、同社はアジピン酸を非可食植物のセルロースから造る研究を進めている。アジピン酸に移行するまでの中間体を造るのが難しいという。2030年の実用化を目指す。

図2 100%バイオベースのアジピン酸の生成
図2 100%バイオベースのアジピン酸の生成
2030年の実用化を目指す。(写真:日経クロステック)
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導光板から導光板へリサイクル

 台湾CHIMEI(奇美実業)が展示したのは、再生樹脂を使ったディスプレー用導光板だ(図3)。使用済みのポリメチルメタクリレート(PMMA)製導光板から、ケミカルリサイクルによって再生PMMAを造る。これを「バージン材に対して20~50質量%混ぜて」(同社)再び導光板に成形する。

図3 再生PMMAを使ったディスプレー用導光板
図3 再生PMMAを使ったディスプレー用導光板
(写真:日経クロステック)
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 PMMAのディスプレー用導光板への再生技術の確立は「世界初」(同社)だという。ディスプレー用導光板は、要求される光学特性や透明性が高く、従来は特性の劣る外装部品などへのダウングレードリサイクルしかできなかった。現在パイロット設備で実証実験を行っており、2023年第3四半期をめどに再生PMMAを使った導光板の量産を開始する計画だ。