カラフルな髪に服、装飾品という派手なファッションを楽しみながら、下水道のコンサルタントとして公共性の高い業務に励む──。お堅いとみられる業界の中で自由な働き方を実現しているのは、日水コン下水道事業部東部計画管路部に勤める25歳の吉久華野香氏だ。
ファッションを本格的に楽しむようになったのは、日水コンに入社した後。現在は働き方改革が進んで改善されたが、入社当時は毎日終電帰りとなる繁忙期もあった。感情が表に出やすい性格だったので、忙しさも相まってため息をついたり、愚痴をこぼしたりして周囲に心配をかけた。見かねた上司に好物の焼き肉をごちそうしてもらったこともある。
「もともと好きだったファッションを自由に楽しむことで、気持ちをコントロールしないとダメになると思った」(吉久氏)。業務の繁忙期には髪を金色に染めて乗り切り、落ち着けば黒髪に戻すといった具合にして、メンタルヘルスを保ってきた。
取材の数カ月前には、複数のプロジェクトを一気に片付けた開放感から、髪をピンクに染めた。浸水対策関係の仕事で、シミュレーションを繰り返すなど苦労が多かったのだ。出張で地方の拠点を訪れた際に、「ピンクの人が来た」と話題になったという。
大事な打ち合わせには、原色の派手なスーツで臨む。吉久氏の勝負服だ。自治体を訪れると、庁舎内がざわつく事態に何度も遭遇した。悪い印象を与えているのではないかと不安に思う時期もあったが、自治体職員の間で親しみやすいと評判だと知り、安心した。
ここ数年は、自身のファッションが武器になると感じる機会が増えた。自治体職員と打ち解けやすくなったように感じるからだ。おしゃれをすると自信を持てるので、自治体職員との会話が一層弾む。ファッションを入り口に、話題が広がっていくことも多い。